RED【LDH】 (ページ1)

今日:9 hit、昨日:2 hit、合計:36,605 hit

1 ページ1

・

｢あたしね､おっきくなったらけんたのおよめさんになる！｣

小さい時はそんなアホみたいな約束を彼と交していた。

だけど､世の中には守られない約束も叶えられない夢も沢山あるんだって私は知ってる。

彼は夢だったEXILE加入は果たせずとも､今はEXILETRIBEのグループのメンバーとして輝いている。

私も彼と一緒にダンスの勉強をして､今ではダンサーとして色んな人とステージに立たせてもらってる。

A｢瑠唯！元気してる？｣

瑠唯｢元気だよ～Aも相変わらずそうだね笑｣

今日は幼馴染の瑠唯と久しぶりに飲みに行く約束をしていた。

瑠唯はいつも暖かいから一緒にいてすごく心地よかった。

私の仕事の話や瑠唯の仕事の話､たくさん話していたらあっという間に時間が過ぎていった。

瑠唯｢健太も会いたがってたよ？｣

A｢いやいや､アイツが私に会いたいわけないでしょ｣

瑠唯｢こないだSNSでAのこと調べてたよ｣

私は東京にきて仕事を始めてから瑠唯とはこうして何回か会っているけど､健太とは一度も会っていない。

私はそれまで健太とずっと一緒にいたけれど､進んでいく彼を見ていると自分が虚しくなるからって私から離れた。

A｢健太ってそんな私のこと好きなんだ｣

瑠唯｢会えば喧嘩しかしないもんねぇ｣

そう､私と健太はとにかく仲が悪かった。

いつも瑠唯が間に入って喧嘩を仲裁してくれるけど､アイツのせいで怪我したことだって少なくない。

私を女だと思ってないんだ。

A｢今､ツアー中なんだっけ？｣

瑠唯｢アリーナツアーだよ見に来なよ｣

A｢見に行ってみようかなぁ｣

少しだけ健太に会いたくなった。

今の私ならアイツに会っても大丈夫だと思う。

私だってこの数年でめちゃくちゃ努力して立派なダンサーになれた。

健太に食らいついていけるくらいの自信があった。

・