BLUE 【LDH】 (ページ8)

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仕事が出来て…優しくて…笑顔が素敵な人…そんなわけはない。

彼女の身体の痣は絶対にその彼氏が原因だ。

この様子だと真白もAさんの彼氏のことはあまり知らないんだろう。

樹｢真白はAさんが半袖着てるの見たことある？｣

真白｢…見たことないけど？｣

女の人なら日焼けとか気にして肌を出さない人もいるから､真白は不審に思ったことはなかったみたい。

だけど､女の真白にも一緒にいて､全く肌を見せないなんてやっぱりおかしい。

壱馬｢何の話？｣

樹｢…痣があったんです…｣

真白｢え？｣

壱馬さんも只事ではないって気づいてくれたみたいで､スタッフさんの多いステージ横で話すわけにも行かず移動する。

人のいない控え室の1つで俺はAさんの痣を見てしまったことを告げる。

真白｢それは階段から落ちた時のじゃなくて？｣

樹｢それもあるけど…様子がおかしかったから､真白に探って欲しい…｣

大して話したことも無い俺にそんなプライベートなことを話してくれるとも思っていない。

だから真白に相談したんだ。

真白｢任せて！Aちゃんのためだもんね！｣

そう言って真白は自分の楽屋にいるAさんの元へと向かった。

残された壱馬さんはジーッと俺の方を眺めている。

壱馬｢樹､ちゃんと気に掛けてやり｣

樹｢分かってますよ｣

スタッフのプライベートに口出しするなんて､あんまり良くないのかもしれないけど､放ってはおけなかった。

3年間も今の彼氏と付き合っていて､どんな思いをしているのか分からない。

俺になんて絶対に助けを求めてはくれないから､俺が彼女を気にかけてあげなきゃって思った。

壱馬｢ま､ああ見えて真白は頼りになるから任しとき｣

樹｢そうっすね笑｣

まずは今日見に来てくれてるファンの皆さんを楽しませることに集中しなきゃ。

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