BLUE 【LDH】 (ページ6)

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-樹 side-

なにやらスタッフの人たちが騒がしい。

聞こえた話によるとLDHTVスタッフのAさんがいなくなってしまったらしい。

撮影があるからってみんなが探してる。

凄く仕事熱心なAさんだから何も言わずにいなくなるなんてことはないはずなのになって思いながら､俺も少しだけ探してみることに。

すると人通りの少ない階段があることに気づいて､こんなところにはいないだろうけどちょっとだけ見てみた。

樹｢え…Aさんっ？｣

そこには探していた彼女が倒れていた。

状況から見て階段から落ちて気を失ってしまったんだろう。

俺は慌てて彼女を抱き上げて運んだ。

その時に見えてしまったんだ､彼女の足首に痛々しい痣があった。

俺らの楽屋に運ぶわけにもいかないから真白の楽屋に連れて行く。

真白｢いっちゃん？…え､Aちゃん！？どうしたの！？｣

俺がノックもなしに真白の楽屋に入ると彼女はびっくりして駆け寄ってくる。

樹｢階段から落ちたみたい､少しここで休ませていい？｣

俺は真白に事情を説明して､楽屋のソファに寝かせる。

真白がスタッフさんたちに話をしに行ってくれて､彼女はしばらくここで寝かせていていいことになった。

真白｢ごめん､私リハ行くから…Aちゃんのことよろしく｣

そう言って真白が楽屋を後にした。

俺は彼女の怪我が気になって少しの背徳感の中､少しだけ彼女のズボンの裾を捲ってみた。その瞬間息を飲んだ。

赤や青や紫､いろんな色の痣があって明らかにさっき転んでできたものではないと感じた。

慌てて裾を戻して今度は腕を捲る。

そっちにも幾つも痣があった。

思えば､俺は2年近く彼女を見ていたけど､彼女が露出のある服を着ているのは見た事がなかった。

真白と仲良くて俺らと同じ歳なのは知ってる。

だとしたら､もっとオシャレな服を着たりしようとしてもおかしくないのに…彼女はいつだって長袖長ズボン。

その理由を知ってしまって､なんで今まで気づいてあげられなかったんだって悔しくなる。

樹｢あ､起きました？｣

少しすると彼女がゆっくりと目を開けた。

状況が理解出来ずにキョロキョロする彼女に声をかければ､その瞳が俺を捉えた。

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