BLUE 【LDH】 (ページ49)

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付き合い始めたからと言って､私たちの間で何かが変わったわけではない。

前から樹の家に転がり込んでいた訳だし､樹は私に気を使っているのか手を出してくることはなかった。

私からどう声をかけていいのかも分からなかったので前と変わらない生活をしていた。

A｢マース～､私はこのままでいいのかな～｣

なんて1人の時はいつもマースに話しかける。

マースのおかげで樹がいなくても家で寂しさを感じずに居れるから､マースには感謝しかない。

樹｢ただいま～｣

A｢おかえり！樹！｣

玄関から聞こえた声に私はパッと嬉しくなって玄関まで走った。

樹｢なんか､似てるね笑｣

駆け寄った私を見て笑う樹を不思議に思っていると､樹の足元に私と一緒に玄関まで走ってきたマースがスリスリしていた。

ほんとだ､これじゃあ私も樹のペットみたい。

A｢似てへんっ！私は樹のためにご飯も作るし､掃除もしとるもん！｣

樹｢ちょっと､なんでマースと張り合ってんの笑｣

その瞬間､なぜかマースがライバルに見えたからそう言えば樹に笑われる。

A｢だって､樹の1番はマースやろ｣

樹｢マースは確かに大事だけど､Aのことも同じくらいかそれ以上に好きだよ｣

A｢…ふぇ～｣

樹｢なに変な声出してんの笑｣

口下手であんまり｢好き｣とか伝えてくれない樹から､そんなことを言われたら赤くなる頬を抑えられない。

A｢イケメンの免疫ないんやから､やめて～｣

樹｢こんなんで照れてたらキリないんじゃない？｣

なんでニヤリと笑いながら樹が私にキスをした。

今まで少しもそんなことする気配がなかった樹だったから､驚いて思考が止まる。

A｢ダメや…私､樹のこと好きすぎておかしくなりそ…｣

樹｢俺はもうおかしくなっちゃったよ｣

彼がいれば､私は前に進めるって今なら自信を持って言える。

ずっとずっと､樹と一緒にいたい。

fin