BLUE 【LDH】 (ページ48)

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-A side-

私と樹の出会いは確かにLDHTVで樹の20歳のお祝い企画をやった時だった。

まだ仕事を覚えたてでド新人だった私。

そんな私はあの時､彼が流した涙に貰い泣きしてた。

樹｢あ､あと手紙の時泣いてたよね｣

A｢え！？それも気づいとったん？恥ずかしいわ笑｣

バレてないと思ってたそれも樹は気づいてたみたいだ。

誕生日サプライズで樹のお母さんからの手紙を翔平くんが読んでいた時に､あぁこの人は愛されてるんだなって感じた。

丁度その頃から弘樹さんにDVを受けるようになってたから､愛されてる樹が羨ましかった。

樹｢いつかお母さんにも紹介しなきゃな｣

何より家族を大切にしている樹の優しさが伝わってきた。

こうやってメンバーの素顔をファンの人達にもっともっと知ってもらいたいってやりがいを感じた日だった。

歌やダンスは勿論だけど､彼ら自身を知って欲しいし､私も知りたいと思った。

私にとっても大事な日。

A｢私も久しぶりに会いに行かなきゃな…｣

樹の言葉で思い出したのは悲しそうなお母さんの顔。

私はもうどれだけお母さんに会ってないだろう､きっともう私の事なんて気にもとめてないかもしれないけど。

樹｢あんまり会ってないの？｣

A｢弘樹さんと住む時に､お母さんに反対されて喧嘩してから1度も会ってない｣

今思えば､きっとお母さんは弘樹さんの裏を見抜いていたんだと思う。

そして私が弘樹さんから何をされても離れられないことも…だから必死に止めようとしてくれてたんだ。

樹｢それ､絶対心配してるよね早く会いに行ってあげなよ｣

A｢分かってるけど…｣

樹｢俺が一緒に行くよひとりじゃなければ大丈夫でしょ｣

私の中の何かを見透かした樹の言葉に私は驚いた。

｢一人じゃ怖い｣って言おうとしてたのが、彼には分かってたみたいだ。

A｢ありがとう｣

樹｢うんそろそろ戻ろっか｣

お礼をいえば樹が立ち上がって私に手を差し伸べる。

フロントの時計を見れば､もうかなり遅い時間。

樹は知らないけど､朝は寝起きドッキリが入ってて超早起きしなきゃいけない。

樹の手を取って部屋に戻った。

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