BLUE 【LDH】 (ページ44)

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樹｢俺ら席外しますね｣

そう言って私の手を引く樹に私は慌てた。

この空気の中にみんなを残したままで､私らだけ外れるなんて悪い気がした。

だけど､亜知さんが｢いいよ｣と言うように私の目を見て頷いてくれた。

私はごめんなさいの気持ちを込めて､みんなに頭を下げてから樹に着いて行った。

エントランスホールにある大きなソファに腰掛ける。

受付にはホテルのスタッフさんがいて､こんな時間でも大変だなぁなんて思ってしまう。

A｢菜月ちゃんたち大丈夫かな…｣

樹｢まこっちゃんだって好きでもない人と付き合わないよ
それに､壱馬さんたちもいるから大丈夫｣

私がいたところで何が変わるわけでもないだろうから､確かに居なくなって正解だったのかなぁとも思ったけど､何より樹に心配をかけてしまったみたいだ。

A｢そういえば､改めて…樹､お誕生日おめでとう｣

樹｢ありがとう｣

私は真っ直ぐに樹の方を向いて漸くお祝いの言葉を伝えることが出来た。

このロケのために色々やらなきゃいけないことがあって､私は先にこっちに来ていたので誕生日を祝ってあげることができなかった。

プレゼントだってまだ用意できてない。

こんなにお世話になってる人に申し訳ない。

A｢ごめん､プレゼントまだ何も用意してないねんけど､樹なんか欲しいもんとかある？｣

樹｢うーん､Aの心…かなぁ｣

何の気なしにした私の質問に返ってきた答えに私は耳を疑った。

頭の中が今のシーンを何度もリピートして､少しずつ彼の言葉を理解してきたけれど､聞き間違いだと自分に言い聞かせる。

A｢え…なんて？｣

樹｢Aの心が欲しい俺の彼女になってくれない？｣

頭を整理するように聞き返すけど､樹からは再び信じられないような言葉が放たれる。

私は誕生日プレゼントの話をしてたのに､どうしてこうなってるんだろう。

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