BLUE 【LDH】 (ページ33)

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-樹 side-

嫌な予感がしたんだ。

Aは辛い時に辛いって言わないし､人に助けを求めたりしないから何かあったらって気が気じゃなかった。

あの時だって､俺が階段で倒れてるAを見つけなかったら一生DV彼氏と過ごしていたかもしれない。

またどこかでAが倒れてるかもしれないって思ったら､身体は勝手に動いて富士急ハイランドを走り回っていた。

だけどどれだけ走ってもAは見つからなくて､俺はスマホで電話をかけた。

何コール鳴らしても繋がらない。

どうしたら…って思ったその時､微かに着信音が聞こえた気がして辺りを見回す。

人目につかない場所に蹲る人影が見えて駆け寄る。

―Aだった。

樹｢…A､見つけた｣

俺が声をかけても反応しない､激しく上下する肩に過呼吸になっているって気づく。

落ち着くまで優しく背中を摩って､北人さんにAが見つかったことを連絡する。

樹｢大丈夫？何があったの？｣

A｢樹､お願い…ギュッてして…｣

弱々しい声で涙を浮かべながらそんなお願いをされたら断る理由なんて一つも見つからない。

俺は優しくAを抱き寄せた。

小刻みに震える彼女の身体を温めてあげるように､安心させられるように､優しく。

A｢さっき､別のスタッフさんが｢気が利かねぇな｣って怒られてて…弘樹さんと被って見えちゃったの…

そしたら､苦しくなって…上手く呼吸できなくて…｣

必死に説明してくれるAは言葉にしたことでまた少し苦しくなったのか涙を流した。

やっぱり相当なトラウマになってる。

俺はAの手を取ってみんなが待っている方に戻る。

樹｢辛くなったら俺に言って､1人で絶対どこか行ったりしないで｣

A｢ごめんなさい｣

樹｢間違えた､言い方きつかったね｣

心配で言ってしまった言葉にAが謝るから言い方が悪かったことに気づいて慌てた。

俺が手を繋いで戻ったからスタッフさんたちがガヤガヤと話してるけど､そんなこと気にしないで俺はAを連れたままメンバーのところに行った。

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