BLUE 【LDH】 (ページ28)

今日:22 hit、昨日:19 hit、合計:60,454 hit

28 ページ28

・

樹｢Aさん､なんか俺にしてほしいことあったら言ってね｣

A｢してほしいこと…｣

樹｢うん俺に出来ることならなんでもするから｣

A｢…じゃあ､Aって呼んで欲しい｣

家事が大方終わってから､樹くんが私を呼んだから少しだけ弘樹くんを思い出してしまったけど､樹くんは手を上げたりなんてしない。

そっと私の手を握って私の目を見てそう言ったから､私は一つだけ引っかかってたことを樹くんに言った。

樹｢…そんなこと？｣

彼は私からのお願いにビックリしていたみたいだけど､私からしてみれば"そんなこと"じゃない。

私は"樹くん"って呼んでるのに樹くんは私を"Aさん"って呼ぶ。

歳はおなじだし､私はスタッフで彼は芸能人だし､普通なら逆なはずだった。

A｢距離…感じちゃうから｣

樹｢待って､ちょっと緊張する …Aも樹って呼んで？｣

A｢…樹｣

2人でドキドキしながら名前を呼び合う。

なんか不思議な感じだねって笑い合って､一日が終わった。

樹といると一日があっという間で､家が凄く居心地のいい場所のように思えてきた。

亜知｢で､樹くんとどうなの？｣

ある日､お昼ご飯を亜知さんに誘われて一緒に食べていると､樹とのことを聞かれた。

A｢どうもこうもないですよ私はただの居候ですから笑｣

亜知｢じゃあ聞き方を変えよう Aちゃんは樹くんのことどう思ってるの？｣

A｢…優しい家主？｣

きっと私は何回聞かれても同じように答えるから､亜知さんは敢えて聞き方を変えてきた。

私が樹をどう思ってるのか､そんなの自分が一番知りたいくらいだった。

・