BLUE 【LDH】 (ページ18)

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警察が到着して連れていかれる男をAさんは悲しそうに見つめていた。

なんで､ここまで酷いことをされているのに彼を想えるんだろう。

俺や北人さんも警察の人に少し話を聞かれた。

職業柄あまり大事にされると困るからって亜知さんも警察の人と色々話してくれた。

HIROさんへの報告も亜知さんがしてくれるみたい。

北人｢樹は病院付き添ってあげて？｣

樹｢ありがとうございます｣

それから救急車がきて大袈裟かもしれないけど､多分縫わなきゃいけないから俺も付き添って病院まで行く。

Aさんはずっと放心状態だった。

樹｢カメラ…持てます？｣

A｢大丈夫､仕事はちゃんとやるから｣

樹｢よかったです｣

彼女の右手は包帯がグルグルに巻かれていて､痛そうだった。

付き添いで行った俺は病院の人にAさんのいないところで呼び出されて話をされた。

医者｢手の傷は深いですが心配はいりません｣

樹｢そうですか…｣

先生の言葉にホッとしたのも束の間､｢ですが…｣と先生は言いづらそうに続けた。

医者｢彼氏さんからのDVと聞きましたあなたはAさんとはどのようなご関係ですか？｣

樹｢仕事仲間というか…｣

医者｢DVの被害者はPTSDの症状が出やすいので､傍で見守ってあげて頂きたいです｣

樹｢僕がですか？｣

医者｢見たところAさんは貴方に気を許してるみたいなので…
それに新しく恋をすることが彼女にとってもプラスになると思います｣

俺にはよく分からないけど､先生の言っていることは理解出来た。

Aさんを一人にさせておけないとは思うし､俺自身が彼女の傍に居たいって思い始めていた。

A｢ごめんね…巻き込んじゃって…｣

樹｢俺がAさんのこと放っておけなかっただけなんで｣

俺はAさんを連れて真白の家へと向かっていた。

真白が心配してるのもあるし､壱馬さんと待っていてくれてるみたいだったからAさんは申し訳ないって嫌がったけど連れていく。

今日は一人でいるよりもみんなでいた方が安心できるはず。

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