BLUE 【LDH】 (ページ12)

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目の前で繰り広げられる樹くんと菜月ちゃんの会話を私は呆気にとられて見ていることしか出来ない。

私は樹くんに｢はい｣って黒いロンTとデニムパンツを渡される。

菜月ちゃんは慎くんの荷物を漁って｢あったあった！｣と樹くんに慎くんの私服を渡す。

A｢これ…｣

樹｢着て？｣

樹くんが私に何も聞いてこないことが不思議だった。

見えてなかったのかなって思って､控え室にある着替え用のカーテンの中で渡されたものを着る。

樹くんも着替え終わっていた。

A｢衣装…ごめんね…｣

樹｢俺もうほとんど撮り終わってたから大丈夫｣

私と樹くんはタオルで髪の毛をゴシゴシと乾かしながら話していたけど､とにかく会話が続かない。

会話がないけど､弘樹さんより樹くんの隣の方が心地よく感じてしまった。

A｢樹くん…見えた？｣

樹｢なにが？｣

A｢いや､なんでもない｣

痣が見えてしまったかどうかやっぱり気になったけど､自分の口からその言葉を言う気にはなれなかった。

だけど､口篭る私に樹くんが近づいてくる。

樹｢俺の服､伸びたら嫌だから抵抗しないでね｣

そう言って近づいてくる樹くんに嫌な予感がして後ずさるけど､すぐに背中が壁にあたって下がれなくなる。

壁に追い詰められた状態で樹くんが私が来ている服を掴んで捲った。

嫌だって思ったけど､樹くんの服が伸びたらダメなのも分かってたから目をつぶって堪えた。

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