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第3話 ページ18

Aside

何故御館様のもとへ来たのか聞けば
私を返せとの事だった。
あれは誘拐で、私の結婚は脅されたものだと。
お見合い場に着いた途端置き去りにした人が何を言うのか、呆れてしまった。

「いいから娘を返してくれ」
「なら、Aと天元に聞くといい。来ているよ」

御館様が視線を私に向ければ、それにつられて奴らも私を見る。
最初からいたのに気付かないなんて、本当に必死なんだな。

「Aっ!!帰るぞ!!」
『嫌です』
「我儘を言うんじゃ」

私に伸ばされた手は天元さんが掴む。

「!?」
「男にベタベタ触る趣味はねぇんだけどな。可愛い嫁に触られるじゃ話は別だな」
「なんだね、君は!!私はコイツの親だぞ!!」
「Aの旦那だよ。つか、親は子供をコイツとか言わねぇんだわ」

私は静かに見つめる。

『姉さんが婚約に失敗したのでしょう?』
「………は?」

私の言葉に目を見開く。

「な、ぜそれを…」
「俺らの情報網なめんな。数分ありゃ分かる」
『姉さんは元々好きな人がいたんです。それを政略結婚の道具にするなんて……そんな事したら、逃げるに決まってます。貴方は姉さんを分かってない』

姉さんが唯一私にしか話してなかった事。
好きな人がいる、それだけは予想外だったのだろう。ただ姉さんが出ていった、としか思ってないのだからおめでたいものだ。

『自分たちの富の為に子供を利用する親がどこにいますか』
「っ〜〜〜〜!!うるさい!!!お前は黙って私の言うことを聞けばいい!!!!」

昔の私だったら、ここで怖気付いて言うことを聞いていただろう。
でも、もう違う。私には天元さんや皆さんがいる。

『貴方とはもう、家族ではありません』
「誰のおかげで生活できたと思っている!!!」

再び力を入れるが天元さんに適うわけもなく、ただ叫ぶだけ。

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作者名:あまんだ | 作成日時:2024年1月19日 3時

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