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第5話 ページ13

Aside

こうして、私は杏寿郎さんの妻となり、
煉獄家に嫁いだ。
お義父様、槇寿郎さんは廃れていた。

『初めまして、煉獄家に嫁がせていただきます。葉室Aです、よろしくお願いいたします』
「…」

お義母様である、瑠火さんがお亡くなりになられてかららしい。
杏寿郎さんが柱になられた時も何も声をかけなかったとか。

「…箱入り娘に何が出来る」
『……』

その言葉は、私をやる気にさせるには十分だった。

『では箱入り娘は箱入り娘らしく、遠慮しません。千寿郎さん、お台所はどちらに』
「はい、こちらになります」
「おい」
『どうぞ、お構いなく』

悲しい人。
そんな人に必要なのは、家族しかいない。

「私は」
『私のことは家政婦か何かと思っていただければ結構です。ですが、何があろうと私は杏寿郎さんの妻です。あの人を貶す様な発言、態度をとるのであればそれ相応の対処をさせていただきます』

それからは、ぶつかる事は多々あったが少しずつ煉獄家に馴染めてた気がした。

『長期任務ですか…』
「ああ、すまないが長い間家を空けることになる」
『家はお任せ下さい』
「ありがとう。帰りに何か美味しい物を買ってこよう、何がいい?」
『杏寿郎さんが美味しいと思ったものなら、何でも構いません』
「そうか、行ってくる」

杏寿郎さんに頬を撫でられる。
これは、彼なりの願掛けらしい。無事に帰れるように、帰ろうと思えるように。
私は杏寿郎さんの背中に一礼して、家に入る。
今回も帰ってくれると信じて

『………え』

現実はそう優しくはなかった。

『今、なんて…』

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作者名:あまんだ | 作成日時:2024年1月19日 3時

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