第3話 ページ11
煉獄side
Aさんと楽しい時間を過ごしていたのに、空気を読めないのは困りものだな。
『ぁっ』
Aさんの気配が離れそうな感じがした。
俺は素早くAさんの肩を掴み、自分の方へ抱き寄せる。
「ケケッ」
「なるほど、女性を好むか」
「お前鬼狩りか？お前を殺してから、この女をじっくり嬲って喰うか」
その下劣な言葉に俺は燃える殺意を抱く。
『あの、煉獄さん…』
Aさんの言葉でハッとする。
「…ああ、すまない、必ず守る」
「ケケケケッ、そんなのが隣にいて俺、を"」
言い切る前に斬り捨てる。
「ああ、守るとも。俺の想い人には指一本、その塵さえ触れさせはしない」
一瞬で灰にする。
『…』
帰り道、Aさんは俯いていた。
俺は何かしてしまったのだろうか！！？？
宇隨に聞いたものはやってみたが、もしや！！
「Aさん！」
『ひゃっ、ひゃい！！』
「掴んだ肩が痛むか！？それとも、鬼に怪我を！！」
『あ、いや、その』
「まだ嫁入り前の女性に傷を…！」
『煉獄さんっ、煉獄さんっ』
「俺が責任を…！」
責任を取らねば、そう思ったのだがAさんが俺の手を掴む。
『煉獄さんっ』
「！？」
『あの、その……っ、守っていただき、ありがとうございましたっ。…えっと……、その、嬉しかったのと…、頂いたお言葉が…嬉しい恥ずかしいで……』
困ったように笑うAさんは、
実に愛らしかった。
ん？？頂いたお言葉…？
自分の発言を遡り、頭が爆発した。
「いや！！！！…ぃゃ…ぁれはそうだな…」
声量が大きく出てしまって、思わず手で口を塞ぎ、一呼吸置き自分にも問う。
嗚呼、そうだな。
「あれは、紛うことなき俺の気持ちだ」
ん？嬉しかった…？
「Aさん、先程嬉しかったと言ったな」
『？はい』
「…もし、Aさんさえ良ければ、俺と契りを結ばないか」
『……っはい』
涙をポロポロと零すAさんに慌てたが、
いっぱいの笑顔で頷いてくれた。
こうして、俺はAと夫婦になる約束をしてくれたのだった。
「よう、煉獄。最近どうよ」
「宇隨か！！礼を言おう！！」
「は？何がだ？地味に分からねぇ」
「お前の言葉がとても参考になった！！」
宇隨に声をかけられ、理解したのか宇隨は満面の笑みを浮かべる。
「おうおう！ついにか！それは派手にめでたいな！！パーッと祝うか！」
「うむ、ありがとう」
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作者名：あまんだ | 作成日時：2024年1月19日 3時
