102話 ページ6
「……」
「そんな顔しないでもっと笑いなさい。この小城美也が貴方を選んだのだから」
え、選ぶ?一体私に何をさせる気なのだろうか……そう思っているとミルクがこう言った。
「A。その用件引き受けなさい」
「え?ミルク⁉」
驚いた。ミルクがそんなことを言うとは……何かで買収されたのでは……と疑いたくなるぐらいだ。
「A。今失礼なこと考えたでしょ。決してマロンが今持っている高級菓子に釣られてた訳じゃないわ!」
ああ、うん……釣られたんだな…私は湿った目線をミルクに送りながらも、ため息を吐く。どうせここまで来たのだ。小城さんの要望に答えてあげようじゃないか。
「…分かりましたよ。それで?私は何をすればいいのですか」
私がそう言うと、小城さんは後ろの紐を引っ張る。そしてそこから……
「え?か、樫野⁉な、何でここに?」
状況が全く把握できない私。でも、それは樫野も同じらしい。
「あーん。真くん。そんな怖い顔しないでー」
いや、するだろ…いくら、知り合いで被害を加えないとはいえ…
「小城先輩。これはどういうことですか」
「本当ですよ。小城さん。てゆうか、ここに私が呼ばれたのも意味がわかりません」
そう、そもそもの謎はそこだ。わざわざフランス高まで来たのだ。それ相応の理由があるのだろう。しかし小城さんはあっけらかんにこういった。
「いえ?特に理由は無いわよ。ただ何となくあんたを思い浮かべただけ」
「ええ……」
な、何となくで人を連れてこれるのは流石お嬢様とゆうかなんとゆうか……私はため息を吐きながら、あの二人に助けを求めた。
「あの…私て一体何をすればいいのでしょう?とゆうか何で樫野がここにいるんでしょう?」
私がそう言うと、二人は苦笑いをしながらこう答えてくれた。
「それはですね……」
「お嬢様も樫野には伝えてないですが…」
その内容に私は思わずびっくりした。え?だってそれやばくね?だって樫野は結婚する、とは伝えられてないんでしょ?
それって…この前冗談で言っていた奴が現実になる可能性があるてことでしょ…?正直に言うと、樫野と小城さんの二人もなんだかんだ言って面白いのだが…やっぱり安心するのは…
「(いちごちゃんと樫野の組み合わせなんだよな)」
てゆうか、こいつ囚われてばっかだよな…これで3回目?そして助けに来るのは…
「(全く。どっちがヒロインなんだか…)」
私はそう思いながらため息を吐いた。
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作者名:かんな x他1人 | 作成日時:2020年8月2日 22時