101話 ページ5
「ん?あれ樫野にショコラじゃない。久しぶりねー」
「ああ、Aか…」
そう言って樫野は不機嫌そうにため息を吐く。何よ。久しぶりって言ってるのに。そんなに私とは会いたくないわけ⁉
「Aそんなに怒らないの」
「樫野も樫野ですわ。あんな所でやっていたら誰だって撮りたくなるものですわ」
……一体何を撮ったのというのか……凄い気になる…そう思っていると…
「そういえばマチルダの話は何だったの?」
き、急に話の展開変えてきたな……まぁ、いいけど。私はそう思いながらこう言った。
「チームマチルダで大会に出てみないかって誘われたわ。断る理由もないし承諾したけど」
「ふーん、そう」
ミルクはそう言いながら、髪をいじっていると……
「樫野。天野さんが呼んでるよ」
「ああ、安堂今行く」
そう言って樫野は去っていった。
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「……」
「……」
夏だ。夏休みだ、海だ!と私はそう連想するのだが…うちのリーダーにはそんな発想はないらしい。いちごちゃんがリーダーなら、海に行っていただろうなぁ、とぼんやりと思った直後……
「おーっほっほっほっ!」
こ、この見に覚えのある笑い声は……!私は思わずしゃがみこんだ。何か変なことに巻き込まれる気がする……!て、てゆうか何で小城さんここにいるの⁉と私が思っている間にも話は進んでいく。
「ここでは静かにしてもらえないかしら?」
そう言ってマチルダさんは黙々と目を離さずに、作業をしているが……
「今日はAさんに用があって来たの。ここにいるて聞いたのだけど……」
……私に用だと…?絶対に厄介ごとじゃん……
「え?あいつなら……」
そう言ってチラッとマチルダさんは私の方を見る。私は口に指を押さえ、『言わないで!』とジェスチャーしたが…
「あら、こんなところにいたのね。Aさん」
「うわっ!」
思わず私は後ずさってしまった。ああ、もう面倒ごとに巻き込まれる……!
「ミルク様。お久しぶりです」
「ええ。マロン。久しぶりね」
あっちはあっちで普通に談笑してるし!…もう腹を括るしかないのか…?
「この子…Aさんを借りるわね」
そう言って小城さんは私の手を握り、走っていく。有無も言わずに走る姿はまるで…
「(女王にしか見えないわ…)」
私はそう思いながらため息を吐いた。
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作者名:かんな x他1人 | 作成日時:2020年8月2日 22時