100話 ページ4
「(これはスフレ……?)」
明らかに美味しそうなスフレだ。そう思ってると、ぽつりと彼女はこう言った。
「やっぱり、天王寺さんには叶わないや。色々と…」
その言葉を聞いたとき、昔の私と重なったのと同時に思わず私は……
(そんなに天王寺さん、ていう人に頭が上がらないの?)
と、声を掛けていた。今思えば、酷いことを言ったなぁって思った。遠回しにAのことをdisってたし…でも、彼女は受け入れた。私をパートナーだと認めてくれた。それがとても嬉しかった。
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「夢、か」
私はベットから降り立ち、はぁとため息を吐く。久々に夢を見た。夢だから特にオチはなく、かといって何の変哲もないつまらない結末。でも、それでいい。と思った。
「(夢だから、もう少し面白いことをやったら良かったなぁ)」
とか、今更そんなことを言っても後の祭りなのだが……そう思っていると、声が聞こえた。
「ミルク!私もう行くねー」
そう言ってAは走っていった。……Aも私も変わった。最初はあんなに自分に自信がなかったのに今じゃ胸を張れる程度には自信があるから。
「Aー!そんなに走ったらこけるわよー!」
私はそう言いながらも、Aの後を追った。校門に行く途中声を掛けられた。
「あ、A今時間ある?」
急にマチルダがそう言ってきた。Aは戸惑ったように視線を彷徨わせたが頷き、マチルダの方に耳を傾けた。
「(…これは長くなりそうね……)」
私はそう思っていると、向こうからショコラと樫野が来た。
「あ、ショコラに樫野。何だか久しぶりね」
「あ、ミルク!本当に久しぶりですわね!」
そう言ってショコラは笑う。ショコラとは連絡は取り合っていたものの、こうやって会うのは本当に久しぶりだ。
「それに樫野も元気そうで良かったわ。……あの写真とても良かったわよ」
私がそう言うと、樫野は不可解な顔をした。まるで何を言っているのか分からないみたいだ。……対してショコラはこう言った。
「あら、樫野しらばっくれるきですの?」
「だからなんだよ」
樫野がそう言うと、ショコラはため息を吐いた。私は苦笑いをしながらも、フォークをふり樫野にとある写真を見せると、樫野の顔はみるみる赤くなってゆく
「な、な、何でその写真を…お前が…⁉」
「さぁ、ね」
私がそう言うと、樫野はショコラを睨み付けるが、ショコラは鼻歌を歌っていた。
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作者名:かんな x他1人 | 作成日時:2020年8月2日 22時