98話 ページ2
「Aー、そんなに早く起きなくても…」
「もうー、だからミルクは寝てていいよって言ったのに」
今私は調理室へと向かっている。今授業しているシュークリームの復習しに来たのだ。私が調理室の扉を開けるとそこには先客がいた。
「あ、マチルダさん。おはようございます!」
「A……おはよう。あんたも自主練?」
「はい!皆に遅れを取るのは嫌なので」
私がそう言うと、マチルダさんは何も言わずに黙々とスイーツを作っている。無駄のない動き。前々から思っていたけど、マチルダさんて本当に……
「(麻里みたいだなぁ)」
私はそう思いながら、卵を割った。
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「よーし、出来た!」
上手くいった……!私はそう思いながらため息を吐く。昨日はそんなに出来なかったから。そもそも私はシュークリームはそんなに得意ではないのだ。
でも、そんなことをいつまで経っても言っていたら成長しないと自分でも分かっていた。だから、今回作ったのだが…
「……ど、どう?ミルク。お、美味しい?」
私は恐る恐るミルクに聞くと、ミルクは難しい顔をしながらも、一口食べてこう言った。
「……美味しいわね。Aってシュークリームはそんなに得意じゃないし、上手くいっても何か何処かで食べたことのあるシュークリームって感じはしてたけど…これは普通に美味しい」
「……⁉ほ、本当に本当⁉」
「本当に本当よ」
ミルクがそう言った直後、チャイムが鳴った。
「あ、やばい!もうそろそろ授業が始まるわよ!A。早く片付けて!」
「あ、はい!」
や、やばい!普通に何か没頭していたけどそうだった!今日平日だった!これから授業あるんだった……!私はそう思いながら慌てて片付けをした。
ーー授業ーー
「はい。では、今日は……」
「ま、間に合った……!」
私はそう言いながら手で汗を拭く。対してマチルダさんは堂々としていた。
「(汗一つ流していないのかマチルダさんは何者なの……⁉)」
それともこれが彼女にとっての普通なのだろうか。凄いなぁ、と思いながら今日したシュークリームを作る事になった。
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「できた!練習通りに作れてよかった!」
私はそう思いながらため息を吐く。シュークリームに関しては土壇場で作れ、と言われたら上手く作れるか分からないし…
「(もっと練習しないとなぁ)」
私はそう思いながら拳を高く振り上げた。
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作者名:かんな x他1人 | 作成日時:2020年8月2日 22時