12歳～片思い～part2 (ページ8)

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56話ページ8

「…ねぇ、そういえばさカコちゃんて何でAのこと好きになったの？」

今私達はまりんちゃんの家で恋バナをしていたらいつの間にか私の番になっていて…

「相原さんAのこと好きなの？何か意外」

「あー、でも分かるかも。だってA君てイケメンだし。狙ってる子も地味に多いんだよね…」

そ、そうなんだ…確かにA君カッコいいし当然といえば当然なのかな……？そう思っていると…

「で、何でカコちゃんはAのことが好きなの？この私に話してごらん！」

「た、対して面白い話でもないよ…？」

私がそう言ってもまりんちゃんも他の子達も『全然構わないよ！』と言ってくれた。そ、そんな純粋な目で見つめられたら…

「わ、分かった…私が何でA君を好きになったのかというとね…」

ーー1年前ーー

相原カコ11歳。男の子と話すのが苦手な私ですが唯一話せる男の子がいます。それは…

「今村。今日の三時間目合同体育だってー」

「オッケー。伝えとくねー！」

そう言ってA君は去っていきました。AA君。私の幼馴染みで唯一話せる男の子です。きっかけとかは特になく親が仲が良かったのと家が近かったので自然と遊ぶようになって仲良くなっていきました。

そして小学校に上がってA君とクラスが離れ離れになって。友達もまともに出来なくて休みがちになった私を引っ張りだしてくれたのが想楽ちゃん。どっちとも私の大切な友達でそれはずっと変わらないものだ、とこの時の私はそう思っていた。

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「何かカコと二人で帰るの久しぶりだなー」

「そうだね」

本来なら私は想楽ちゃんとA君は柔道の人と帰っているのだけど、今日想楽ちゃんは部活助っ人に行くので一緒に帰れずA君は今日柔道休みらしい。
　
「あーー！相原さんとAだー！」

唐突にそんな声が響く。私はビクッとしながらも電柱に隠れた。

「あ、エイコーじゃん。何か用？用がないなら帰りたいんだけど。ほら、カコも隠れてないで出てこい」

そう言ってA君は私の手を引っ張り、その場から去ろうとしていましたが…

「ヒュー。ヒュー。あついねぇ」

「…カコ。ごめんな」

「え？」

そう言ってA君は猛スピードでその場から去っていきます。そしてあっという間に……

「つ、ついちゃった…」

「あ、本当だ。夢中で走ってたから気にして無かったけど…」

A君はそう言ってハッとした顔になりながらこう言いました。