55話 ページ7
「そ、そんなことないよ!だってこれのおかげで私勇気出たし…」
そう言ってカコはポケットからあるものを取り出す。それは……
「俺があげた帯…」
「だから余計に今日想楽ちゃんと仲直りしたい、ていう気持ちが強くなったんだ。だからありがとう。A君」
そう言ってカコは笑った。
「そうか。(でも、俺は帯があってもなくてもカコは想楽と仲直り出来てた気がするけど…まぁいいか)」
そんな水を刺すようなことは言いたくないし…と思っていると、カコが寄りかかってきた。
「…カコ…?あ、寝てるのか」
とても幸せそうに寝てる。疲れたのだろう。何があったのかは聞かないけど、とてもハードだったに違いない。でもこれだけは言える。
「頑張ったな。カコ」
そう言って俺は肩の位置を調整した。
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杏side
また、だ。また失敗に終わった。結局言葉責めは二人にはきかなく、しかも仲直りまでしやがった。
「(本当にムカつく。不幸中の幸いは…)」
「あ、桧山ー!そのお菓子と俺のお菓子交換しよう」
太陽君の隣にいることだけなのよねー。確保しといて本当に良かった。私はそう思いながらリュックからお菓子を取り出す。
「太陽君。お菓子交換しない?」
「うん!いいよ!杏ちゃん」
そう言って太陽君は笑う。ああ、本当に太陽みたいに明るい人。一緒にいたい。そんな気持ちは溢れてゆく。そう思っていると…
「ご、ごめんなさい!」
「大丈夫だから。むしろカコは頑張ったんだから気が抜けて眠くなるのは当然だよな」
そんな声が聞こえてくる。……何をやったのだろうか。眠くなるだけでこんなことを言うのは……多分
「(……はぁ…でも、いいの。だって…)」
だって近いうちにあの二人はまた仲が悪くなるから。そしてその原因が自分だと知った時A君はどんな表情するのかな〜?
「(その日は私の出番ないかもねー)」
私はそう思いながら太陽君から貰ったお菓子を手に取った。
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かんな(プロフ) - あやさん» ありがとうございます!そう言ってくれると嬉しいです! (2020年8月8日 8時) (レス) id: d024afc4b4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - 応援してます!!頑張ってください (2020年8月7日 18時) (レス) id: 41416aa890 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かんな x他1人 | 作成日時:2020年7月4日 11時