12歳～片思い～part2 (ページ4)

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52話ページ4

想楽side

「想楽。大丈夫か？一人で仕事受けすぎだろ」

「瑛太……」

遠足の班の仕事をしていたら瑛太に話しかけられた。前の自分ならきっと喜んでいただろう。『瑛太と私は両思いなんだ！』て心の中で喜びながら瑛太に笑いかけていただろう。でも、今は出来ない。だって……

「(瑛太がカコのことを好きだと知ったから…)」

今思うと、バカだな、て思う。瑛太は私のことなんか見てなかったのに。カコのことを見ていたのに。そう思いながら私は瑛太にこう言った。

「……カコが隣にいなくても見てくれるんだ…」

「え…？」

「好きなんでしょ？カコのこと」

そう言って私は瑛太の顔を見る。赤い顔をし、驚きながらこっちを見ている瑛太に対し、私はわざと明るくこう言った。

「…告ってみたら？意識ぐらいされるかもよ」

……カコのことも瑛太のことも何も考えていない発言なのは自分でもわかっている。自分は何て卑怯な人間なんだろう、と思う。でも…

「何があっても言うつもりはない。…相原困らすことだけはしない」

「………そっか」

私はこれ以上何も言えなかった。

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杏side

「太陽君。これ落としたわよ」

「あ、本当だ！杏ちゃんありがとうー！」

そう言って太陽君はポケットにハンカチを入れる。私は笑顔を見せながら自然とその場へと去っていく。だって、

「こ、小日向ー！お前相原さんだけでなく姫宮さんのことも名前で呼んでるの⁉」

声でかいわねぇ。もう少し抑えなさいよ、と私はそう思いながらも嬉しかった。

「いいな。杏ちゃん。小日向君に名前で呼ばれてて」

「高尾君や桧山ほどじゃないけど小日向ってイケメンよねー」

……ええ。そうよ。前々から目をつけていたのだから取らないで欲しいわ。今更こっちに来てももう遅いのだから。そう思っていると……

「あ、カコちゃん！」

そんな太陽くんの声が聞こえ、一気に体温が下がっていく。

「(相原カコ！また私の太陽君を……！)」

みだらに誘惑し、私の好きな人を奪っていく。いつも私はそうだ。いつも裏切られ、大切な人を奪われてゆく。そう思っていると……

「姫宮」

一番聞きたくなかった声だ。今日で相原カコと今村想楽を潰すのだから黙ってて欲しい。

「何？Aくん」

「カコと想楽に何かしてみろ？俺が許さないから」

そう言ってA君は去ってゆく。な、何あれ。

「(うふふ。AA私に喧嘩ふってきたこと後悔してあげる♡)」