12歳～片思い～part2 (ページ29)

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77話ページ29

「私ね、幼い頃からAくんがヒーローだとそう思ってたの。だから……ありがとう」

「ありがとうって……俺は何もしてないし。それにカコにとってのヒーローは想楽じゃなかったの？」

「勿論、想楽ちゃんも私のヒーローだよ！でも、Aくんも私のヒーローなの。二人は私の憧れだから……だから、想楽ちゃんもAくんも絶対に言わないってそう思ったから……」

「そっか。成長したな。カコ」

一年前のカコなら多分こんなこと言わないと思う。

「偉いよ、カコは本当に」

そう言って俺はカコの頭を撫でた。

ーー
ー

冬休みというのはあっという間の出来事だ。クリスマスも終わりあっという間に…

「え……？もう新年？はや……あ、そうだ……」

カコに年賀状渡しに行かなくちゃ。隣同士だからすぐ渡せるのもいいよな。俺はそう思いながら年賀状を机の引き出しからだして持った。

「あ、カコ。新年あけましておめでとう。」

「あけましておめでとう……！Aくん！これ年賀状……」

「ありがとうな。カコ。俺はこれ。」

そう言って俺達は年賀状を交換し合う。……カコの年賀状開いたら鏡餅が出てくる……スゲェな……俺捻りも何にもない普通の年賀状なんだけど……

「カコって本当にスゲェな」

「そ、そんなことないよ……！そ、それより……！は、初詣一緒に行かない？」

「お、いいじゃん、初詣。俺も行きたい」

そう言って俺は笑った。

ーーー

「そういや、今日太陽誕生日だったわー。何か買っておいてあげよう」

「え……？そ、そうだったの？」

「1月1日が誕生日だなんて太陽らしいよな」

俺はそう言いながらお守りを見る。沢山あるし、どれか一つだなんて……

「あ、太陽くんならこれがいいんじゃないかな？太陽くん柔道しているし……」

「確かに。あいつ危ない動きしててハラハラするときたまにあるんだよなぁ……」

なんやかんやあって怪我しないんだけど……こっちの身にもなってほしい。

「じゃあ、プレゼントこれにするわ。ありがとな。カコ」

「ううん、私は特に……」

そうカコが言った直後……

「Aあけおめー！」

「道場のみんな！」

ここで道場のみんなと会えるとは思ってなかった。

「今年こそはAと小日向に勝つ！って絵馬に書いたぞ！」

「Aも誘いにいったんだぞー」

そう言った直後、

「え……！Aが彼女連れてる！」

「彼女めっちゃ可愛いじゃん……！」

「くっそ！Aも小日向も抜け駆けかよ……！」

「この人前に道場に来てた人だよな？！」