12歳～片思い～part2 (ページ26)

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74話ページ26

「……この写真……」

「二人笑ってるだろ？」

俺が想楽に渡したのはカコと想楽が笑顔の写真だ。これだけで思い出の写真になるだろう。

「……A君に……想楽ちゃん……？廊下で話してどうしたの……？」

そう思っていると、いつのまにかカコと瑛太がいた。俺は振り返りながら、

「カコと瑛太こそ。お前らそんなに仲良かったか？」

「……ちょっと、考えを改めてただけだ」

「考え？」

考えを改めるって一体どういうこと？隣にいる想楽はニヤニヤと笑って瑛太に耳打ちしているけど。それに対して瑛太も顔真っ赤になってるし。

「……？」

俺とカコは完全に置いてけぼりだ。しかし、こう見ると瑛太の好きな人って想楽にしか見えないのに違うというのだから驚きだ。

「…瑛太ってさ………」

キーンコーンカーコーン。

聞きたかった言葉はチャイムによって聞くことが出来ず、俺は慌てて教室へと戻った。

ーー
ー

放課後。

今日は久々に瑛太と一緒に帰っている。

「本当、久々だなー。瑛太と一緒に帰るの」

「本当にな」

想楽もカコも太陽も用事があるらしく、久々に二人っきりだ。

「……なぁ、瑛太、聞きたいことがあるんだ」

「何だ？」

「誰が好きなの？」

そう言った。瑛太の驚いた表情を見ながら、俺はまた口を開く。

「俺さ、いろいろ勘違いしてたんだ。瑛太って想楽のことが好きなんだろうなーってそう思ってた。だけど違った。……なら、誰が好きなわけ？」

「どうしてAに言う必要が……」

「嫌なら言わなくたっていいよ。ただ……気になっただけだし。好きな人を教えてくれなくても俺の接し方が変わるわけでもない」

「……」

俯いている。よっぽど言いたくないのだろう。

「……そんなに言いたくないのなら別にいいよ」

「……悪いな」

そう言って瑛太は去っていく。……決意をしたような表情をして。

ーー

瑛太side

相原の口からはっきり聞かされた。『私はAくんのことが……好き……だけど…Aくんはそうじゃない』って。それを聞いたとき、驚きを隠せなかった。そして一つ思う。Aの為に封じていた想いをもう隠さなくていいんだって、そう思った。

「悪い。小日向」

抑えられないかもしれない。この気持ち。初めは嫌いな女子のタイプだったのに今の俺はきっと昔の自分が見たら笑われるだろうな。

「本当、バカみたいな話。」

俺はそう言ってため息を吐いた。