12歳～片思い～part2 (ページ17)

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65話ページ17

「ところで貴方ってAAていう名前だよね？」

唐突にそんなことを言った。今は遠足のしおりを作っている最中だ。今更、そんなことを言うのは可笑しいと思うが……と思いながらこう言った。

「そうだけど？お前は……」

「今村想楽。カコの親友よ！あんたは幼馴染なんでしょ？」

…カコから『想楽』という女の話は聞かされていた。それはもう会う度に(最近はそうでもないけど小さい頃はそうだった)最初はカコにも友達が出来たんだ！純粋に嬉しいてなったけどカコが「想楽ちゃんとね…」と話をする度にまたあの話かとなり適当に聞き流すだけになっていた。

そして俺も、カコもいろんなことで忙しくなり、最近は遊びに行ってもいないし、想楽という女にも会えてなかった。

いや…会わないようにしていたんだ。カコが想楽という女の前で心の底から笑っている所を見たらきっとカコに酷いことを言ってしまう、と思ったからだ。だからこの四年間極力想楽という女には避け続けてきたのに…

「(まさかこんな所で…)」

会うとは……俺は心の中でため息を吐く。出来るだけこいつに関わらないようにしていたのに…くそっ！あの時くじ引きであれを引いていなかったら、と後悔するのには遅い。

「それでさ、私あんたと話してみたかったの！カコと遊ぶ時に時々あんたの話が出るし」

「……カコが俺のこと？」

驚いた。だって、俺とカコはもう長い間遊んではいない。良くて話す程度だ。

「うん。カコがあまりにもあんたの話するものだからちょっとだけ気になってさ」

…カコが俺のことを？そして気になっただって？俺はこいつの話を聞くたびに虫唾が走り、逃げたり話を逸らしたりしていたのに。

「(これじゃあ、まるで……)」

俺だけがムキになっていただけだった。こいつは俺のことなんて…

「(気にしてなどいなかったのか……)」

恥ずかしい。穴があったら入りたいというのは正にこのことだ。

「だからさ、今度遊ぼうよ！私あんたのこともっと知りたいし、カコがあんたと何を話すとかも知りたいし」

……俺を知りたい？いや、カコと何を話しているのかが本命か。しかし、そんなことを聞き出すぐらいならそんなの今でも出来るだろうに

「別にいいけどそんな事今ここで聞けばよくねーか？」

「いいじゃん！私達もう友達になったんだし」

いつの間に、とでも言おうとしたが今村の顔が真剣だったから何も言えずにいた。