殉職した公安警察は今もどこかで生きている

拾玖 ページ20

私がそう聞くと、降谷は思い出したかのように言った。


「A、今から買い物に行くんだよな？」


『うん。そうだけど』


「丁度よかった。ついでにオリーブオイル買ってきてくれ」


『……はい？』





え、な……何て？ オ、オリーブオイル？





『え、降谷……それは、買って家まで持って来いってこと……？』


「その通り。あともう少しでなくなりそうなんだ」


『えっと、それは今日じゃないといけないんですか？ ってか、自分で買いに行ってよ』


「面倒くさい」


『おい、それで私をパシリに使う気かコノヤロウ！ ……まあ別にいいけどさぁ〜』


「あ、あと何でもいいから酒も買ってきてくれ」


『増えた』





何だよ〜、液体ばっかじゃないか〜。 私今日車じゃないのに〜。


降谷の分の酒も買うとなると、めっちゃ重くなる〜。





さっきからあまりいいことがない私は降谷に対して不満気に返答していたが、次の一言によって態度をガラリと変えた。





「……俺の手料理と安く売ってる惣菜、どっちが食べたい？」


『すぐに買ってきます！！』









――――――……あはは。私ってホント単純すぎないか？









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…………最っ悪だ。


買うもの買って、降谷の家に向かってたら途中でゲリラ豪雨に襲われた。


ヤバイ。久々に面白いくらいに降ってる。もうこれシャワーじゃなくてバケツの水だわ。


……あ゛ぁ―――っ、とにかく早く家の中に入りたい！！


もうブラウスが肌にひっついて気持ち悪い！！









私は全速力で荷物を抱えながら走った。









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――――――……ああ、マジであれ買っといてよかったな……。

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