参拾参 ページ34
男が黙った。
疑っているのか。それとも、この誘いに乗ろうとしているのか。
私、ハニトラってあんましたことないから、これでいいのか全然分からんわ。
しばらくすると、男がこちらに近付いてきた。
さあ、どう出る?
「……イイね。今までで最高のシチュエーションだ」
『あら、そうなの?』
「ああ。普通ならありえない状況だ。……ハハッ」
男は興奮した様子で私の体を押し倒すと、ブラウスのボタンを外し始めた。
気持ち悪い。でも、まだだ。まだ我慢……。
『……ねえ、この目隠し取ってよ。あなただけ楽しむなんてズルいわ』
「フッ、分かったよ。取ってやる」
『ありがとう』
男の手が後頭部に回され、私の視界を遮っていた目隠しが外された。
目を開けると、不気味にニヤリと笑みを浮かべた男の顔があった。
「……これで楽しめるな」
『ええ。(これからフルボッコにする)顔が見られて嬉しいわ』
「あんた、本当に警察官か? 職務放棄も甚だしいな」
『さっきも言ったでしょ。私だって人間よ……って』
すると、男の手が私の胸元に移動し、ゆっくりと揉み始めた。
何も感じない。
いや、触れられてる感触はあるが……とにかく、不快感しかない。
しかし、この男を受け入れる一歩手前まで持ち込まなければ、勝機は見えない。
本当はやりたくないのだが……演技も交えて促すしかない。
『ッ……ぁ、う』
「何。擦れて気持ちいいの?」
『違ッ……その、久しぶりで……』
「へぇ〜、期間が空きすぎて逆に感じやすくなっちゃってるんだ」
『そうみたい、ね……ッ』
……なーにが感じやすくなっちゃってるだ。こちとら何も感じてねーんだよ!
あ‶ぁ〜、やっぱり気持ち悪い。早く、早く終わらせたい。
男は、私の胸を存分に楽しむと、今度は手を腹に沿わせて下に移動してきた。
よし、そのまま……そのまま下に来い。
足を自ら開き、誘導する。男が唾を飲み込んだ音が聞こえた。
『……もう、限界。早く、もっと……もっとしてッ……』
その言葉がスイッチだったのか、男は顔を私の股に近付けた。
……来た!! やっと、待ち望んだタイミングが!!
私は、足と腕に一気に力を込め、全体重をかけて三角締めの状態に持って行った。。
「な‶ッ!?」
『ハッ! 手前で両手首を縛ったこと、そして足には拘束をかけていなかったことが仇になったわね!!』
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推しが尊いマン(プロフ) - 更新マジ感謝です。ありがとうございます (2021年1月14日 15時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - 梨色さん» やったああああ!!!ありがとうございます!!!!楽しみに待ってます!! (2021年1月11日 16時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
梨色 - まだ読んでくださる方々がいらっしゃることに対し感動しました。少しだけ更新頑張ってみようと思いますので、少々お待ちください。まずはストーリーを思い出します笑 (2021年1月11日 15時) (レス) id: bfcd433b02 (このIDを非表示/違反報告)
推しが尊いマン(プロフ) - そこで終わるのぉ!?更新待ってますー!!! (2021年1月11日 8時) (レス) id: ae253cfa81 (このIDを非表示/違反報告)
ふる - 34話のは合ってると思います!だって彼らのセリフですもんね?お話面白いです!更新楽しみにしてますね! (2020年2月15日 17時) (レス) id: 91b037fbe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨色 | 作成日時:2018年5月5日 20時