振り回される ページ24
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都市部に向かう方とは逆方向だから
人がぎゅうぎゅうに詰まっている訳では無い。
私は携帯を確認し、溜まったLINEを返していく。
一駅でつく学校の最寄り駅
同じ制服を着た人が増える。
智と朝登校するのには慣れたけど
周りからの視線には慣れない。
可愛らしい顔立ちのせいか
この男は案外モテるらしい。
そんなのお構い無しに
大きく欠伸をする。
分かってんのか分かってないのか
目が合うとニコリと微笑む
それに女子は湧く
この男、たらしか…？
｢女の子にキャーキャー言われて嬉しいの？ん？｣
智｢なんの話｣
｢いろんな女の子に愛想振りまいてキャーキャー言われて、嬉しそうだから｣
智｢愛想？振りまいてないよ？｣
｢は？なに無意識とかタチ悪いじゃん｣
智｢なに怒ってんだよ｣
｢怒ってない！｣
智｢ヤキモチ妬いちゃって、可愛いね｣
そう言って私の肩を寄せて
頬にスキを落とす。
道行く女子生徒が悲鳴に近い声をあげる。
｢や、や、やめてよ！こんな道端の人のいる所で！｣
智｢怒ってるから許してもらおうと思って｣
付き合い始めて、一緒に住み始めて、わかった事がある。
智がキス魔であるということ。
智がくっつきまんであるということ。
暇さえあればくっついて
ことある事にキスをしてくる
所構わず。
本当に、やめて欲しい。
私は後ろから聞こえる自分の名前をシカトして
学校までの道を歩く。
『あ、大野くん、おはよう！今日はあの子一緒じゃないんだね』
智｢あー、うん、まぁね｣
いや、ここにいますけど。
私の知らない女の子と笑顔で話す智に
苛立ちを感じながら早足で学校へと向かった。
智ってあんなに、チャラチャラした人だった？
もっと優しくて、誠実で、私を一番に考えてくる人だと思ってた。
私が、知らなかっただけ…？
教室に入ってみんなと挨拶を交わし
自分の席に座る。
少しして智が入ってきた。
輝｢ココ最近一緒に来てたのに、喧嘩でもした？｣
｢してない｣
輝｢ならいいけど｣
チャイムが鳴って先生が入ってくる。
本当にテキトーなHRを終わらせて
さっさと出ていく。
私も移動教室だから
教科書を持ってさっさと出ていく。
次の授業は選択の日用数学
二宮先生の授業だ。
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作者名：ぱるぷんて | 作成日時：2018年2月17日 16時
