彼女 ページ15
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後ろから智の呼ぶ声が聞こえるけど
私は無視して先に進む。
智｢ちょっと、待てって…｣
息を切らした智が私の腕を掴んで振り向かせる
ふわふわの髪の毛が目の前で揺れている
これ、触ってみたかったんだよね。
私は智のふわふわの髪の毛にぽんっと手を置いた
ワックスで整えられてるからなのか
ふわふわ感はあまり感じられなかった。
｢作り物か｣
智｢あ？地毛だけど？｣
｢ふわふわじゃないじゃん｣
智｢そりゃそうだろ、固めてんだから｣
｢なんか、残念｣
智｢残念だったね｣
｢じゃあね｣
離された手を名残惜しく思いながらも
私はまだ怒ってる事にしたくて智に背を向ける
けどその手はまた智によって引き戻される。
智｢何でそんなに怒ってんの、怒りたいのはこっちなんだけど？｣
｢バカって言った。怒られる筋合いないもん｣
智｢いやいや、お前はバカだろ。普通男に軽々しくキスさせねぇから｣
｢あれは、突然だったから…それに、口にされた訳じゃないし｣
智｢あのなぁ、口にされなきゃいいって訳じゃねぇの、なに、じゃあお前は、そこら辺のオヤジに普通にキスさせんのか？｣
｢そんなわけないでしょ！抵抗するよ！｣
智｢じゃあなんでニノにはさせたんだよ｣
｢先生は別に、そこら辺の知らないオジサンじゃないし…ほんとに不意打ちだったし…｣
智｢そういうところだからな、俺が心配してんの｣
｢なんで、心配するの｣
智｢するでしょ、自分の彼女が、他の男に付け込まてキスされたらどうしようって｣
『彼女』
あぁ、そうか。
私、智の彼女なのか。
付き合おうとか言われたわけじゃないけど
確かに私たちの心は通じ合って
恋人同士になったんだ。
｢……ごめん、気をつける｣
智｢なんだよ、気持ちわりぃな｣
｢素直に謝ったのに何でそんなこと言うの！？｣
私は子どもみたいに智をポカポカ殴った。
智はそんな私の手を掴んで
智｢もう、帰るぞ｣
と言って私を引っ張るように歩いた。
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作者名：ぱるぷんて | 作成日時：2018年2月17日 16時
