キスの理由 ページ11
．
智の息遣いを間近で感じた時
ガラガラッ！
和｢はい、もうダメー。これ以上はダメでーす｣
と二宮先生が、入ってきてしまった。
智は動きを止め、私から離れた。
私の首と腰に腕を回して抱き起こす。
そしてそのまま
ちゅっ
と私にキスを落とした。
私は驚いて固まることしか出来ない。
先生が…見てるのに…
そこで…先生が…
えっ、先生は幻覚…？
あの声も、幻聴なの…？
えっ、あ、どうしよう
そうか、これをパニックっていうんだ。
智｢ほらぁ、ニノが邪魔するから、固まっちゃったじゃん｣
和｢お前が口で伝えればよかったんだろ？｣
智｢だからちゃんと口で伝えたじゃん｣
和｢これじゃ伝えたって言わねぇよ、喰ったと同じだ｣
智｢喰うかも、とは言った｣
和｢Aはバカなんだから、言葉じゃねぇと伝わんねぇの。キスしただけじゃ、遊ばれたと思うだけだぞ｣
智｢えぇ、それは困る｣
なんて会話は
私には一瞬たりとも耳に入ってこなかった。
ただただ頭の中はパニック状態
智にキスされるのは2回目
でも、気持ちを自覚してからは初めて。
そしたら人前も初めて。
どうしてキスしたの？
知りたい？
うん
言葉にしなきゃ伝わんねぇ？
遊びなら…で私泣く。
もう1回キスしたら、伝わる？
ここで先生登場
かと思ったら尽かさずキス……
あぁ、ダメだ、全然ダメだ。
智｢A、おーい、Aさーん、だーいじょーぶー？Aちゃーん｣
｢へっ、？あ、うん、なに｣
智｢なんか、伝わらないみたいだからちゃんと言うね｣
そこには優しい笑顔の智がいる
そして変わらず先生もいる
｢あ、うん｣
智｢えっと、つまり、なんでキスしたかって言うと｣
｢うん｣
私はゆっくり、智の言葉を待つ。
二宮先生も椅子に座ってその様子を見ている。
智｢A｣
突然名前を呼ばれて
心臓が跳ねる。
｢は、はい｣
智は艶やかな瞳を私に向けた。
そして一言……
智 ｢好き｣
そう言った。
．
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作者名：ぱるぷんて | 作成日時：2018年2月17日 16時
