スターライツの探し人THIRD

100話 ページ5

『私は_____________________





夜天が好きです



誰かに「縁を切れ」とか、「近づくな」って言われても抑えきれないくらい、夜天が……好きなんです



夜天のことになると周りが見えなくなっちゃうくらい、夜天のことが、好きで仕方がないんです』





目を瞑り、体操着の裾をギュッと掴みながら伝える




緊張で握る手が小刻みに震えてしまう





勿論、夜天の表情なんて分からない





少しって言ったけど、かなり前世の記憶を引きずってる





さっきの調子だと、ヒーラーはきっとまだ私のことを想ってくれているんだ




……………そんな一途な人を放っておいてもいいものなのかどうか





夜天「…」





…あれ？



なんにも言ってくれないの？？？




も、もしかして聞こえてない…？





『き…聞いてる？』





夜天「あぁ…うん」





こんな形で正面を見ることになるとは思ってもみなかった




夜天の表情はなんというか、複雑な表情をしていた





夜天「…考えさせてもらってもいいかな？」





『え…考えてくれる…の？』





夜天「うん。…さっきは酷いことばっか言ってその…ごめん」





『…ｯ！』




夜天「ちょっ…！なんで泣くんだよ!?」ｵﾛｵﾛ





『だって…だってぇ…………』





ずっと一方的な片想いで




私は一般市民で、彼はアイドルで




身分違いな片想いのはずが




まさか、考えてくれるだなんて…………






例え最後に振られたとしても、あなたを好きになって良かったって、





きっと清々しい気持ちでそう思えるんだろうな






夜天「じゃ、帰ろっか」





『うん…泣き止むまで背中さすってくれて、ありがとう』




夜天「ｯ！……………ん」






彼と私が出逢えたことはきっと奇跡






いつもは気づかないような、ささやかな奇跡にこっそりと感謝を告げる私であった

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