漆 ページ7
-大倶利伽羅side-
主から召集がかかって、光忠を呼びに行こうと縁側を歩いていると、前方から大きな悲鳴が聞こえてきた。
何事かと思い縁側を声の方へと駆けていくと、そこには俺が探していた光忠とその光忠に肩を掴まれた山姥切長義の姿が見える。
何か話していたのだろうか。いや、だとしたら先程の悲鳴は一体……
「おい光た──」
「え、嘘でしょ、そんな、山姥切国広くんが女の子だなんて!え!?なんで、そんな、本当なのかい!??」
「あぁッ、本当、だッ、祖ッ!だから!その!ガクガクッ、するの、止めてッ、くれ!ない、かなッ!?」
「……は?」
声をかけようと近付いて見ると、目の前では
「おい、何があったか知らんがその辺で止めてやれ」
困惑で周りが見えていない光忠の肩を掴み
「え、か、伽羅ちゃん?って!大丈夫かい長義くん!?」
「あぁ…大丈夫だよ。大倶利伽羅もすまないね、危なく首が折れるところだった。ありがとう助かったよ」
「…いや」
「あれ、伽羅ちゃんはどうしたの?何か用事かい?」
乱れた服を整えた光忠はキョトンとした様子で訊いてくる光忠。
「あぁ、いや…光忠、今の話、どういう────」
光忠に訊こうとした時、
「あぁ、君たち、こんな所にいたのか。主が何やら大事な話があるとかで、刀剣男士は全員大広間に集まるように言っていたんだが…」
「あぁ、今行くよ」
歌仙が来て遮られた。
まぁいいかと思い、俺たちは大広間に向かう。
その時に何故か光忠と山姥切長義が苦い表情をしていたが、俺には関係ない。
俺は誰とも馴れ合うつもりは無いからな。
俺たちが大広間に着くと、大体の奴らは揃っていた。
「おっ、伽羅坊たちも今来たのか。なんだ、俺たちが最後だったみたいだな、三日月」
「あっはっはっは、じじいは脚が重くて大変だなぁ」
鶴丸と三日月が来て、全員が揃った。
数分して、
「あ、皆いますね!ほら、大丈夫ですから来て下さい!」
あいつが現れた。のだが、
『ッやっぱり辞めよう。写しの私はやはり受け入れられるわけが…』
「大丈夫ですって!ほら!」
『うわっ!?』
そのようなやり取りを経て、若干あいつの馬鹿力に引きずられるようにして出てきた奴を見て、
俺は妙な気持ちに襲われた。
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るるるんる - めちゃくちゃ好き… (2021年12月3日 17時) (レス) id: 3a1425707e (このIDを非表示/違反報告)
やよ - あの、はい、好きです(直球) (2021年10月25日 17時) (レス) @page5 id: f3622d769a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:甘冬 | 作成日時:2021年5月4日 11時