あなたは砂糖のように甘い 。

お花がとおとよっつ ページ15

コナンside




おいおい、ウソだろ…？！

安室さんの警察学校時代の同期の萩原さんと付き合ってて、伊達さんと松田さんとも仲良かったって…！
しかも安室さんの本名ももう一人の名前も知ってるって、もうこれはただ事じゃない。


……というか萩原さん、中１と付き合ってたって…警察としてやべぇだろ。



色々突っ込みたくなるほどAさんが話した内容は、一周回って目を伏せたくなるものだった。
安室さんもう固まっちゃってるよ。これ以上安室さんをいじめないであげて、Aさん。




……だけど、これほどまでにAさんの消えそうな表情は初めてだ。
笑顔や不貞腐れた顔しか見ていなかったからだろうか、Aさんの表情は珍しくてこっちまで心がズキズキと傷んだ。



……大切な人を、３人も。……しかも、諸伏さんももう…




辛い。
初めて知った。彼女が誰かと付き合っていたことも、それが安室さんの同期だったことも、他の二人と交流があったことも、本名を知っていることも。


彼女は、こちらへ来てはいけない。
だから、オレも安室さんも何が何でも隠さなきゃいけない。ってのに……。




「……まじか」





安室さん、それ隠す気あるの？
めちゃくちゃAさん見てるよ？怪しんでたじゃん、縁があったのかって。



でも、Aさんが安室さんが名前を聞いた降谷零だと知ったら、きっと喜ぶだろう。
あの人たちの形見、そう思うかもしれない。


好きな女の人を騙して知らないふりをするか、言って危ない橋を渡らせるか。
……これだと、絶対にオレが安室さんだった場合言わないだろう。安室さんも、多分そう。


だけどAさんはそんな選択肢をオレらが選んでるなんて知りもしないから、『降谷さんは警察学校首席だったんだってー』とにこやかに話している。



……だけど、オレらは気付いてんだよ。
無理して笑ってるって。さっきみたいに本当は泣きたいんだって。


ねぇ安室さん、ちょっとそこニヤけないでよ。
安室さん、ちょっとそこ拳握って喜ばないでよ。


ほんと、あの人は疲れてるんだって。
あの人をそろそろ寝かせないと好きな人が自分のことめちゃくちゃ褒めてるからボロ出すよ……。




そう、オレはため息をついた。

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