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*Temptation 10* ページ10

「"こっち"が来ると予想出来なかったか?」



薄くなっていく霧の中、拳が後少しで届くという距離で身体が動かない。

勝てるという油断と、目の前の炎にしか集中出来ていなかったせいか、膝上まで氷に覆われた事に気づけなかった。



『う、…負けました、』


「まぁ、視界を奪われんのは予想外だった。」



左の力で足元を捕らえる氷を溶かしていく彼の言葉に少し嬉しくて顔がニヤける。

あの轟くんを少しでも翻弄できたのが思った以上に嬉しくてたまらなかった。



『…轟くんはすごいね。

次は負けないようにもっと頑張るから、またお手合わせしてよ。』


「おう、次も負けねェけどな。」



氷が溶け終わったと同時、グラウンドに響く授業終了の合図。

疲れた〜、なんて言いながらそそくさと教室に戻る電気くんと切島くんと瀬呂くんをぶん殴らなければいけない。

先程私を見てニヤけていたこと、許す訳がない。



『待てこら!』



その後ろ姿を追い掛けようとした。



「あ、神毒。」



けれど、轟くんに呼び止められて渋々と足を止める。

なに?と彼へ視線を向けながら。



「いや、最近元気がねェように感じてたから、なんか悩み事でもあんのかと思ったんだが、」


『…よく見てるんだね轟くん。』



まさか轟くんが私の変化に気づいていたなんて驚きを隠せない。

元気がない理由なんてそれはもちろん天喰さんの事が原因なのだけれど。



「もしかして前に言ってた先輩に振られたのか?」


『…どうしようこの人すごいド直球。

…まだあれから1度も会ってないの。』


「そうか。」



それだけ返答をして先に校舎へ戻って行く轟くんに首を傾けたが、その後を追って走り寄る。



『ふふん、もしかして心配してくれたの?』


「毎日きゃーきゃー騒いでた奴が急に静かになっちまうと気になるだろ。」


『え?私そんなにうるさかったかな?』


「違ぇ、楽しそうだったって事だ。」


『なるほど!轟くんも恋話したかったのね!』


「…御前、頭大丈夫か。」



轟くんとこんなにしっかりと会話するのが今回が初めてだけれど、案外とても楽しい。

それに気にかけてくれていた事がまた私を嬉しさの波へ溺れさせる。



『もう轟くん素直じゃないんだから〜』



なんてからかいながら笑った直後、私とは別の方向を見てピタリと足を止める轟くん。

不思議に思って彼の向く視線を追うと、



『……………あ、天喰、さん、』



そこには若干眉を寄せた天喰さんの姿が。

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はちみつ - めっちゃ環くん可愛い!続きお願いします、! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 53b7ff09fc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ぱふぇ - 環くんがめちゃくちゃ可愛いです! ついついニヤけてしまいました! (2018年2月25日 20時) (レス) id: d968ce28b5 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - キュンキュンさせて頂きました( ˇωˇ )スヤァ (2018年2月14日 16時) (レス) id: d47b400241 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - リディア94さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!更新頑張りたいと思いますm(_ _)m (2018年1月30日 21時) (レス) id: 8ed0fe2229 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ドキドキキュンキュンします!!更新楽しみです!応援してます!! (2018年1月27日 20時) (レス) id: df07763634 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:するめ | 作成日時:2018年1月12日 19時

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