*Temptation 8* ページ8
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「「「「ええぇ!?先輩に告白した!?」」」」
『…みんな、声でかい。耳に響く。恥ずかしい。』
その晩、寮の共同スペースにて放課後の不祥事をクラスメイトに相談したのはいいものの、やはりこんなみんなが居る中で言わない方が良かった。
電気くん、切島くん、瀬呂くん、殴りたくなるのでそのニヤつく顔を止めてくれませんか。
女性陣のみなさん、そんなキラキラした瞳で私を見ないでくれませんか。
『…あの、ほんと、……口が滑ったというか、つい言っちゃったっていうか、ね?』
「それで!?先輩はなんて言ったの!?」
「あわわ、ついにAちゃんに彼氏が…!」
異常な程に食い付いてくる三奈ちゃんと、なぜかわたわたするお茶子ちゃんに、落ち着いての意味を込めてゆるく首を左右へ振る。
『…返事は、もらってない。…というか私が耐え切れなくて逃げちゃったし、』
「もったいないですわ!明日にでもしっかり聞きに行きましょう!」
『…え、いや、でも百さん、…どんな顔で行けば良いのか分からないし、』
ぎゅう、っと私の両手を握り締めて背中を押してくれる百さんに眉が下がる。
思い出しただけでも恥ずかしいのに、天喰さんにもう1度会いに行ってしまったら私は倒れてしまいそうだ。
「安心しろ、A!ちゃんと慰めてやるから!」
「明日の夜は"元気出せよA"パーティで決まりじゃね?」
「お、いいなそのパーティ名。
つう事で安心して当たって砕けて来いよ、神毒。」
『切島くん、電気くん、瀬呂くん、ありがとう、
…3人とも明日あの世に連れてってあげるからね?』
なぜ振られる前提でこの3人は話を進めているのか理解できない。
だから、ものすごく優しい笑みを浮かべてそう言い放った。
みるみる内に冷や汗を流す3人を横目に溜息をつき、のっそりとソファから立ち上がる。
「あら、Aちゃんもう寝るのかしら?」
『うん、今日はもう寝て、明日に備えるよ、』
首を傾ける梅雨ちゃんに指先で頬を掻きながら苦笑を滲ませては、とりあえずみんなに就寝の挨拶をして自室へ向かった。
『……天喰さん、』
明日どうするべきか、と作戦を練るつもりで居たが、布団に入った瞬間に睡魔に襲われてしまう。
結局、その晩はぐっすりと眠れたものの、恥ずかしさと気まずさでその日からは天喰さんに会いに行けなくなってしまった。
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はちみつ - めっちゃ環くん可愛い!続きお願いします、! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 53b7ff09fc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ぱふぇ - 環くんがめちゃくちゃ可愛いです! ついついニヤけてしまいました! (2018年2月25日 20時) (レス) id: d968ce28b5 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - キュンキュンさせて頂きました( ˇωˇ )スヤァ (2018年2月14日 16時) (レス) id: d47b400241 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - リディア94さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!更新頑張りたいと思いますm(_ _)m (2018年1月30日 21時) (レス) id: 8ed0fe2229 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ドキドキキュンキュンします!!更新楽しみです!応援してます!! (2018年1月27日 20時) (レス) id: df07763634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:するめ | 作成日時:2018年1月12日 19時