*Temptation 4* ページ4
『会いたいの!どこのクラスか教えて!』
天喰環さんにまた会える、
その嬉しさと、興奮と、焦りのあまり、切島くんの胸ぐらを掴んで強引に揺さぶってしまったのがつい数分前のこと。
ただいま私は、聞き出したクラスの教室前で佇んでいる状況だ。
元々碌に人と会話を出来るようになったのはここに転校してきてからで、まだまだ人見知りが出てしまう事はしばしば。
そんな私が、1人で、先輩方の教室に入れる訳がない。
くそ、切島くんを連れて来るべきだった。
なんて、そんな後悔がどんどん滲み出てくる。
とりあえず1度教室に戻って、また後から切島くんと来よう。
──────そう考えていた矢先、
「あれ!不思議!なんで1年生がいるの?どうして?気になるの、教えて!」
勢い良く扉が開いたと同時、眼の前に立っていたのはとても可愛らしい女の人で。
しかし、マシンガンのような質問責めと、教室から突き刺さる無数の視線に私の心臓はばくばくと音を立てた。
ああだめ、どうしよう、
不意の出来事に、天喰環さん居ますか?なんて言葉は頭から吹っ飛んでしまって、視線を彷徨わせるばかり。
『あ、の、…えっと、』
もう逃げ帰ってしまおうか、なんて考えたが、
「誰かに用が合って来たんだよね!誰?呼んであげるよ!」
と、大きな声で登場した体格の良い男の人にまた心臓が跳ね上がった。
多分この2人は、教室を飛び出る前にみんなから聞いたビック3の方々だろう。
外見と雰囲気が聞いた話ととても一致している。
『す、すみません、…天喰環、さんって、』
緊張してかなり小さな声になってしまったが、2人にはちゃんと聞こえたようで。
「環?珍しいな、1年生の女の子の知り合いが居たなんてね!」
「ほんとほんと!どこで知り合ったのかな?不思議!」
なんて2人は顔を見合わせた後、また教室の中へと戻って行った。
嵐が過ぎ去ったような感覚に、どっと疲れが精神的に押し寄せてくる。
ふぅ、と溜息を吐き出して、大人しく教室の外で待っていると、
ほんの数秒後に先程の2人に肩を押されて嫌々と出てきた1人の男の人。
『!っ、……天喰、さん、』
それは、1年前に出会った彼で間違いなかった。
「あ、れ、…君は、」
控え目にこちらを見た彼の瞳は驚きからか丸く見開いた、
と、同時に、
「いきなりぐいぐい来た、っ……、し、神毒、…Aさん?」
天喰環さんも、私の名前を覚えていてくれたのだ。
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はちみつ - めっちゃ環くん可愛い!続きお願いします、! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 53b7ff09fc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ぱふぇ - 環くんがめちゃくちゃ可愛いです! ついついニヤけてしまいました! (2018年2月25日 20時) (レス) id: d968ce28b5 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - キュンキュンさせて頂きました( ˇωˇ )スヤァ (2018年2月14日 16時) (レス) id: d47b400241 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - リディア94さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!更新頑張りたいと思いますm(_ _)m (2018年1月30日 21時) (レス) id: 8ed0fe2229 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ドキドキキュンキュンします!!更新楽しみです!応援してます!! (2018年1月27日 20時) (レス) id: df07763634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:するめ | 作成日時:2018年1月12日 19時