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*Temptation 13* ページ13

[Amajiki,Said]



『…………嫌だった、ていうのは、この前の事がですか…?』



彼女の言葉にはっとして視線を向けると、また今にも泣き出してしまいそうな歪んだ表情で。

違うよ、と慌てて首を左右へ振った。



「…最近上手くいかない事ばかりで、自分の弱さが嫌だったって事、…君を巻き込んでしまって申し訳ないんだけど。

神毒さんと話せば少しは落ち着くかと思ったんだ。」



彼女の瞳から視線を逸らし、そのまま花壇の花へ。

他の男と楽しげに話しているのが気に食わなかった、なんて、言えない。

だから、適当にそれっぽくはぐらかす事しか出来なかった。



『そうだったんですか、…でもそれって私を頼ってくれたって事ですよね?

…私、とても嬉しいです!』



ぱあ、と明るい笑顔を浮かべる彼女に、嘘を付いてしまった事の罪悪感が募る。


ああだめだ、辛い、


けれどちゃんと平常心を保たなければ、いつボロが出てしまうか分からない。


何度か小さくジャンプを繰り返して喜びを全身で表現するその姿に釣られ、思わず小さく笑みが零れたが、しかし心にはぽっかりと大きな空虚感。

彼女に対して確かに感じたあの感情、"独占欲"、それを拭い去る事が出来ない。

けれど、自分が彼女に対してどう思っているのかもあやふやで、よく分からない。



「…神毒さん、」


『?、はい、なんですか?』


「この前の、やつ、…本気で思ってくれてるの、か?」



分からないくせに、どうして聞いてしまうのだろうか。

いっそ自分の口を縫ってしまいたい。


もじもじと軽く身体をくねらせた彼女の頬は熟れた果実のように真っ赤だけれど、



『…はい、

私、本気ですよ、』



真っ直ぐ自分を見詰めてくれる。


そして、その言葉を聞いて安心してしまった俺は、本当酷いやつだろう。



「…そっか、」



照れくさくて彼女を見詰め返す事も、曖昧な気持ちしか見付けれてもないくせに。

中途半端な気持ちで彼女に接し続けて変に期待を抱かせるのは残酷過ぎるだろう。


断って、突き放した方がいい。



「…俺は、君に特別な感情を抱いてない、

だから、…ごめん。」



今度は、ちゃんと彼女を見れた。


瞳を見開いた彼女は一瞬どこか寂しげにも見えたけれど、すぐさままたあの笑顔を見せてくれた矢先、



『…だから、振り向かせてみせます。』



覚悟してくださいね、なんて笑う彼女に呆気に取られてしまう。


ああ、君は本当に、



「俺の苦手なタイプだ。」

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はちみつ - めっちゃ環くん可愛い!続きお願いします、! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 53b7ff09fc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ぱふぇ - 環くんがめちゃくちゃ可愛いです! ついついニヤけてしまいました! (2018年2月25日 20時) (レス) id: d968ce28b5 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - キュンキュンさせて頂きました( ˇωˇ )スヤァ (2018年2月14日 16時) (レス) id: d47b400241 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - リディア94さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!更新頑張りたいと思いますm(_ _)m (2018年1月30日 21時) (レス) id: 8ed0fe2229 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ドキドキキュンキュンします!!更新楽しみです!応援してます!! (2018年1月27日 20時) (レス) id: df07763634 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:するめ | 作成日時:2018年1月12日 19時

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