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*Temptation 11* ページ11

[Amajiki,Said]



すっきりとしない、霧がかったような感覚がどうしても拭えない。

それは最後にあの子と話した1週間前からで、あの子の言葉が原因だという事も分かっていた。



「最近ちょっと元気がないんだよね!もっと明るく行こうよ、環!」


「ミリオ、」



そんなに分りやすい程元気がなかっただろうか、なんて無意識に俯く。

このままでは次の救助訓練はいつもより上手く出来なさそうだ。



「ねえ聞いて、私知ってる!

天喰くんはあの子の事が好きなのよね!」



不意に背後から現れた波動さんの言葉に大袈裟な程肩が跳ね上がる。

同時に耳まで熱が募って、何処となく鼓動が早まるのを感じた。



「波動さん、…たぶん俺は、神毒さんの事が好きという訳じゃないよ、

…いや、後輩としてはもちろん嫌いじゃないけど、」



真っ直ぐ見詰めてきたあの瞳も、


太陽のような明るいあの笑顔も、


そして、柔らかい声で告げられたあの言葉も、



「………苦手なタイプだ。」



全てが眩しすぎて、暖かすぎて。



ぽつりと自然に唇から零れ落ちたその一言にミリオと波動さんは顔を見合わせて、そっか、とどこか優しい控え目な笑顔。



「まぁとりあえず、今は急いで訓練用施設に行かなきゃだよね!」


「あ、待ってよ通形〜!」


「ミリオ、波動さん、」



2人の後を追って廊下を走る。

急がないと次に間に合わなくなってしまう。


けれど、


窓の外に見えたあの子の姿に、脚は訓練用施設ではなく自然とグラウンドに。


胸がちくちくと痛む。


紅白色の髪の、恐らくクラスメイトであろう男子と楽しげに話しているあの子を見た瞬間から。



『……………あ、天喰、さん、』



気がつけば、2人の行く手を阻むように、眼の前に立っていた。



「…すまない、…神毒さんを、少しの間だけ借りさせてほしい。」



無表情でこちらを見詰める紅白色の相手から遠ざけるように、彼女の片腕を掴んで引き寄せる。



『え、…あの、天喰さん、待って、』



自分の心が、言い表せない感情でぐちゃぐちゃになってしまう。

戸惑う彼女にわずかな罪悪感を芽生えながらも、彼女が一緒にいたあの男が見えない所まで、強引に手を引いて歩く。


静かな校舎に、次の授業の始まりを告げるチャイムが鳴り響いた。

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はちみつ - めっちゃ環くん可愛い!続きお願いします、! (2018年10月16日 17時) (レス) id: 53b7ff09fc (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ぱふぇ - 環くんがめちゃくちゃ可愛いです! ついついニヤけてしまいました! (2018年2月25日 20時) (レス) id: d968ce28b5 (このIDを非表示/違反報告)
ありす(プロフ) - キュンキュンさせて頂きました( ˇωˇ )スヤァ (2018年2月14日 16時) (レス) id: d47b400241 (このIDを非表示/違反報告)
するめ(プロフ) - リディア94さん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!更新頑張りたいと思いますm(_ _)m (2018年1月30日 21時) (レス) id: 8ed0fe2229 (このIDを非表示/違反報告)
リディア94(プロフ) - ドキドキキュンキュンします!!更新楽しみです!応援してます!! (2018年1月27日 20時) (レス) id: df07763634 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:するめ | 作成日時:2018年1月12日 19時

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