季節が巡っても (ページ7)

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x=全ての君【LK】ページ7

｢オッパは私のどこが好き？｣

隣でスマホゲームをしながら私の肩に頭を預ける1歳年上で同居中の彼氏、リノ

｢んー？｣

わかっていたけど返ってくるのは生返事だけ

目を伏せてるリノをちらりと見ると

睫毛は長くて、鼻筋は綺麗に通っていて、唇は左右対称

本当に絵画や彫刻みたいに綺麗

私に目もくれずゲームをしているなんて一見ツンツンしているように見えるけど実は本当に愛情深い

そんな完璧な彼がなんで私という平凡な女を選んだのかがわからなくて少し不安になってしまった

結局その答えは聞けないまま30分ほど経過し、オッパはゲームに飽きたのかスマホを置いて座ったまま私を抱きしめた

歳上だけど可愛いところもあるんだよななんて思っていると

私の肩に頭を埋めたままオッパはぼそぼそと話し出す

｢俺が横でゲームしててもずっとそばに居てくれるとこ｣

｢俺のこと毎日格好いいって言ってくれるとこ｣

｢甘えたいときは甘えさせてくれるとこ｣

｢ちょっと待ってオッパ！もしかして今って__｣

うるさいー、とくぐもった声がして、黙る

もしかしなくても今、オッパは私の好きなところを答えてくれているようだ

｢ずっと笑顔でいてくれるとこ｣

｢美味しそうにご飯食べるとこ｣

｢毎日頑張ってるとこ｣

｢辛くなったら俺を頼ってくれるとこ｣

単純かもしれないけど、さっきまでの不安なんてどこかへ行ってしまって

今はただ目の前のこの大きな猫が愛おしい

｢あとは俺のこと好きでいてくれるとこ｣

｢お前がAだってこと｣

｢俺はAの全部が好き｣

ぎゅっと更に強く抱きしめられて、私と同じシャンプーの香りがする髪を撫でる

私が君を好きな理由を求めよ

解は全ての君

｢私もリノの全部が大好き｣

そう言ってその綺麗な唇を私のピンクのリップで汚す

背徳感と幸福感

私の目を見て微笑む君が私のことを好きな理由を求めるのに方程式なんて必要ないみたいだ

Q.E.D