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『こんなことなら、お洒落してくるんだった』
「そんなこと気にしてるのか？大丈夫、十分可愛いから」
.
私の手を、ギュっと握りしめてくる彼の手が温かい。
梅雨の合間の晴れ間が、私たちを応援してくれているようだ。
.
私たちは近くの大きな公園に向かった。
人ごみをうろうろするより、二人だけでゆっくり静かに時を過ごしたい。
『いつまでいられるの？』
「明日の終電で帰るよ」
きっと、今日の始発で来てくれたに違いない。
そんなことしたら、休めないのに。
.
『翔、大丈夫？無理してない？』
「してるよ。それでもAに会いたかった」
彼の腕の中があんまりにも心地よくて。思わずしがみ付いてしまう。
.
「こんなところで煽るなよ」
翔の顔が近づいてきて、そっと触れるだけのキスをくれる。
あぁ、この柔らかい唇を私は求めていたんだ。
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作者名：sumika
| 作成日時：2018年8月15日 0時
