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言い合い ページ49
「…あの、じゃあ私は行くね」
「……ちょ、待ってA」
背を向けて数歩進んだところで、立ち止まる。
「…ここ、職場の前だし本当に困るの」
「あ、そか。…えっと、じゃ飯でも食いながら」
「……翔、私…無理だから」
「……本当に少しでいいんだ。俺の話を聞いてくれれば、」
「お願い、もう苦しいの」
「…………」
「もう、翔の顔を見られないぐらい苦しいの。…からかわないでよ」
「俺、からかってなんか、」
「全然分かんない！！」
また声を張り上げてしまってから、ハッと気づく。
咄嗟に口を塞いで周りを見渡した私に気づいたのか、翔も周りを見ているのが分かった。
「私、本当にもう帰、ちょっと！！」
翔の革靴を見ながら言葉を発したのに、手が伸びてきて腕を引っ張られる。
私の腕を強いチカラで掴んで翔が歩くから、私は引きずられるように足を動かすしかなかった。
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作者名：sumika
| 作成日時：2018年1月20日 16時
