Still Love You.【SS】PART2 (ページ11)

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決断ページ11

12月25日、クリスマス。

そんな恋人たちが愛を語り合う賑やかな日。

今年のクリスマスは平日だった。

だけど私は、幸い園児たちは既に冬休みに入っていたので、
休みを貰って引越し作業に追われていた。

恋人なんて、当分出来そうにない私には、今日が何の日だろうと関係ないのだ。

『A、今日から向こうで暮らすの？』

「うん、だって早く片さなきゃ年越せない！」

『A、パパは寂しいよ』

「お父さん、大丈夫！私はちょくちょく帰ってきてあげるから」

『沙奈もそう言ってたのに全然帰ってこないぞ』

『A！パパを悲しませないでよ』

『ママ、あんなに可愛がって育てたのに娘たちは離れていくもんなんだな』

『でもパパ、Aの場合は仕事でもあるんだから』

先日、理事長先生に呼び出された。

内容は、系列園への異動。

この話は夏辺りから出ていて、私もその頃から話は聞いていた。

通常なら、年度末まで勤務してからの転園になる。

しかし、系列園で急な退職があって困っているという事だった。

系列園と言っても、徒歩で行けるような距離にあるわけでもなく、今の家からは通勤に片道1時間半もかかる場所だった。

この仕事を私は誇りに思っているけど、時々すごく大変なのは確かだ。

お遊戯会とかの大きな行事の前は準備が忙しく始発で行って、終電で帰るということもある。

理事長先生の推薦もあって、私が異動する事になった。

でも決めたのは、最終的に私。

それと同時に、家を出て新たな場所で頑張ろうと思った。

心残りは、ばら組の子たちの進級を見届けられないこと。

だけど、心機一転、私は自力で頑張りたいと思った。