咄嗟の ページ2
「おはよう」
お昼近くまで部屋でゴロゴロして、ばら組の子たちの成長グラフをせっせと作っていた。
さすがにお腹が空いて、下に行くとお母さんだけがテレビを見て寛いでいた。
『おはようA。もうお昼ですけど』
「起きてたよ！お腹空いた」
『何か作る？』
「んー、自分でやる」
冷蔵庫を覗いて何を作ろうかと考えていると、お母さんが後ろから『ママの分もお願いね』なんて言ってきたから仕方なく2人分作ることにする。
『そうだ！A、お姉ちゃんの結婚式なに着る？』
「お母さんは？」
『ママはもちろん着物よー』
「んー、じゃあ沙奈ちゃんは？」
『まだ聞いてないの。あの子全然帰ってこないんだもん』
「…私も一人暮らししようかな」
『え、どうしたの？急に。パパが悲しむ』
「お父さんにはお母さんがいるでしょ」
『そういう問題じゃないのに』
「…んー」
『…A、もしかして彼氏が出来たの？』
「え？」
『だって、急に一人暮らしなんて言うから。それに最近真っ直ぐ帰ってくるのが減ったから』
「それは、社会勉強だよ！」
『なにそれ。そんな社会勉強いらないのに』
「…んー、」
『ママはてっきりAは翔くんと付き合ってると思ってたのにな』
「……それは、ないよ」
『…そう。仲直りはしたの？』
「別に？喧嘩してないし。それにもう大人なんだしそんなに幼なじみと仲良くしないよ」
『でもつい最近まで、』
「はい！これお母さんの分」
『…ありがとう。わあ、美味しそう』
なんだか見透かされているようで気まずくて、黙々と食べた。
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作者名：sumika
| 作成日時：2018年1月20日 16時
