例え悪女と呼ばれても

~プロローグ~ ページ1

私は自分の名前が嫌い。



生まれた頃から豚子って名前。

お陰でみんなに「豚」って呼ばれて。

意地悪されて。



とっても辛かった。

部屋に籠って泣いた。


なんのために生きてるのかわからなくなって。


死んでしまおうかと思った。

でも怖くて。

死ねなくて。

それが悔しくて。

ただただ泣くことしかできなかった。



親には相談しなかった。

だって私の名前を決めたのは親。

憎かった。

ただただ憎むだけ。



なんでこんな名前をつけたの?

聞いてみた事もあった。

答えはいつも。


「親戚が牧場で豚を飼っていて可愛かったから」


そんな理由で。

私は苦しかった。

苦しめられてた。

運命が少し違えば。苦しくなかった。





私は自分の容姿も嫌い。



生まれた頃から太ってて。

まるで豚その物だって。

みんなから笑われた。



苦しくて。

悔しくて。

憎くて。

悲しくて。



何でこんな風に生まれてきたのって。

聞いたこともあった。

そしたら。


「神様がそうしてくれた」


じゃあ神様を憎めってこと?

わからない。




そして。ある日お父さんは偉くなった。

社長になった。

小さな会社の。


お父さんはこれで何でもできるっていった。


その時思い付いた。

権力を知った。


やっと幸せになれるねってお父さんにいった。

笑った。

みんな笑った。

私も笑った。


幸せを知った。

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