98 ちなみにオフトレとして成立はしなかった ページ49
和久南戦、無事勝利を果たし、次の相手がどちらになるのか見ていた。
「今2セット目か。1セット目はどっちが取ったんだ?」
「あの、1セット目は青城がとったらしいっす」
青葉城西対伊達工業の試合観戦中、引退した伊達工業の三年生が三人観戦にやってきて、大地がそう教えていた。
「あの……お宅のでかい方のマネージャーがなんかすっげえ見てくるんすけど……」
「A!! 敵意を向けないっ!!」
「いだいっ!!!」
思わず睨んでいると、大地にチョップをかまされた。
「伊達工のセッター、新しい奴だな」
「影山くんはスルーですかそうですか相変わらずスルースキルがたかいことで……ん? せったー……あれ、7番……こがねっち?」
「あれはウチの秘密兵器、大型セッター黄金川です」
「えっ、うそ……えっ、まじで!? てことは三人はこがねっちの先輩なの!?」
「こがね、っち……???」
「知り合い……なのか……??」
私が尋ねると、熱血っぽそうな短髪の人が呟いたあと、さきほどキメ顔でこがねっちを秘密兵器発言していた人が聞き返した。
「こがねっちと最初に会ったのいつだっけ……たしか……」
脳内でこがねっちとの出会いを検索して、ヒットしたのは、中学一年の夏のことだった。
「スポーツショップで知り合って、スノボのオフトレにスケボーはどうなんだって話してたらいつの間にかこがねっちも私もスケボー買ってて」
「は?」
旭が呟く。
「で……なんか気付いたら一緒にスケボー乗り回してて、おまわりさんに怒られてた。まあ一緒にやんちゃした仲間? みたいな」
こいつアイツと同じレベルの人間なのか、とでも言いたげな顔を伊達工三人はしていたのだが、こがねっち学校でどんだけ馬鹿ばらまいてるの?
コートを見ればこがねっちがトスミス? してボールが監督さんの元へナイスキャッチされていた。
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作者名:紫 | 作成日時:2020年2月5日 6時