72 人間だもの ページ23
「及川さん、何してるんですか……?」
「甥っ子の付き添い。うちは基本月曜はオフなの」
「甥っ子!! こんちわー!」
「こんちわ!! 徹の知り合い巨人ばっかだな」
「君も言う??? ねえ君も言う????」
「週1で休みが……?」
「え、スルーする感じ? 影山くん??」
「休息とサボりは違うんだよ」
「あ、私幽霊ですねわーい」
甥っ子くんだけ私を駆逐すると言って遊んでくれている。
かわいいかよ。
「及川さん、あの……」
「いやだね!! バーカバーカ!!」
「甥っ子くん、及川くんってあほなの?」
「ちょっとAちゃん!?」
「あほっていうか大きなこどもだな!」
「たける!?」
「彼女にフラれて暇だって言ってたじゃーん」
「へえ……」
「うっ……いや、あの、彼女っていうのは、」
甥っ子くんに暴露された及川くんだったが、一方で私は及川くんのことを少し見直していた。
「いいとこあんじゃん、及川くん」
「え」
及川くんが驚いている。
「え、だって別れて暇って感じちゃうくらいその彼女さんが好きだったんでしょ? それほど一緒に居たんじゃないの?」
「あ……え?」
「え? 違うの?」
なにか検討外れなことでも言ってしまったのだろうか、と私が心配していると、及川くんは突然笑い出した。
「あっはは!! そんな風に考える子初めて!! あーおっかし。で、飛雄ちゃんはこの及川さんに何の用なのかな?｣
「え、聞いてくれるんすか」
「そのかわり」
及川くんが、私の腕を引っ張る。
「Aちゃん、少しもらうから」
「だからさ」
「うん?」
「私はバレー部の景品でもなんでもねえええええ!!!」
73 誤解を招かれ誤解を招く→←71 巨人ネタをこどもにまでいじられた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紫 | 作成日時：2020年2月5日 6時
