【HQ】清水潔子先輩の双子の妹は幽霊を諦めた。 (ページ21)

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70　この誤解は……加速する!! ページ21

試合をしていたときのことだった。

「(……日向くん、大丈夫かな……)」

なにやら日向くんと影山くんが、ギクシャクしていた。

「(うーん……行きたいけど仕事あるし……それにスガくんが行ってくれたみたいだし……)」

とりあえず様子を見て、帰り話しかけようと決めた。

「お疲れ様でしたー! 夏休みもよろしく!」
「え!? Aさんまた俺らのマネージャーやってくれるんですか!?」
「いやそれはわからんけど」

そう答えると、灰羽くんはえーと言いながら私に雪崩れるように抱き付いた。

「流石の私でも灰羽くんは重……あ」
「Aさん、皆待ってるんですケド」

蛍が灰羽くんをはがしてくれた。

「蛍さ……」
「なんですか」
「灰羽くんより小さいね」
「置いていきます」
「ちょちょちょ」
「おーおー置いてってくれんならありがたいわー」

そう蛍を煽ったのは、クロだった。

「……冗談に決まってるじゃないですか。冗談も通じないんですかぁ?」
「蛍!! こんなんでもクロは一応三年で主将で……!」
「この人は、ただの友人だって言ってましたよね」
「え」
「僕とは二人きりで家で過ごしたじゃないですか」

なにやら誤解を招きそうなそんな発言をした蛍だったが、

「いや別に蛍がはじめてじゃないし……」

さらに誤解を加速させたことに、私は不覚にも気付かなかった。