【HQ】清水潔子先輩の双子の妹は幽霊で居たい。 (ページ35)

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35　加速する誤解ページ35

「A、あのことなんだけど」
「ん! りょーかい!!」

きよにそう言われ、あの黒い布のことを思い浮かべた。

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やっと慣れてきた部活が終わって、片付けをしていた。

「A、肉まん奢るけど来るか?」
「肉まん……!!」

ほかほか……じゅーしー……坂ノ下のかな??

「い……あ! ごめん! 今日は無理のすけ!!」
「そうか。また誘うな」
「ありがとー!!」

澤村くんからの魅力的なお誘いを断り、姉上の元へ。

「よく我慢したね」
「まあね。せっかく誘ってくれて悪いけど、今はこっちが優先だし」

きよと二人、黒い布……

飛べ

そう、大きく書かれた横断幕を見つめた。

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「うぅ……無理、ムリムリムリ。私やっぱ壇上は……」
「何言ってんだ。Aも立派なうちのマネージャーなんだから、壮行会はしっかり出てもらわないと」
「菅原くんの鬼!!!」

部活動壮行会の直前、私は吐きそうなほど怯えていた。
というか吐いた。
女が吐いたとかすまんな。それどころじゃねぇんだわ。

「A……私、ちゃんと隣に居るから」
「きよ……。旭?」

ぎゅ、と、顔に似合わず優しく旭が私の手を握ってきた。

「俺らも、居るからさ。大丈夫」
「旭さん……」
「ノヤくんも、私のこと、心配して……」
「やっぱり旭さんもAさんのこと好きだったんすね!!!!」
「いいから黙っててくれない????」

ノヤくんの的外れなコメントのお陰で気が抜けた私は、すんなり壇上に立つことができた。