【HQ】清水潔子先輩の双子の妹は幽霊で居たい。 (ページ20)

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「お疲れ様ー!」
「集合!!」

武ちゃんがなんかグレてそうな人(失礼)を連れてきた。
どうやら音駒との試合までコーチをしてくれるらしい。
坂ノ下の人だよね??

「おー、マネージャー二人か。まあ上出来だな。学年は?」
「三年です」
「三年でーす」

三年、と聞いて烏養コーチは少し考える素振りを見せた。
きよを見れば、きよも真剣そうだった。

「(私らが引退したあとのこと考えてんのかな??)」

しばらくして、町内会の人が来た。
ノヤくんはそっちに入ったが、二人足りない。

「お前、少し混ざったりできるか?」
「我とな?? いやいや、バレー経験授業だけなんできついですわー」
「背え高ぇから女バレ出身かと思ったわ」
「はは……最近よく言われま……ん??」
「あ、旭さんだ!!」

日向くんが顔を覗かせている。
旭が……来た……?

「なんだ遅刻か!? ナめてんのか!? ポジションどこだ!?」

そう捲し立て気味に言うコーチに従って、旭は、体育館に足を運んでいた。

「(これは……チャンスでは??)」

試合が始まり、私は得点係をする。

日向くんと影山くんの速攻を見て、町内会の人たちと旭が驚くのがわかった。

「思うよ。何回ぶつかったとしても、もう一度……打ちたいと思うよ」
「旭……」
「それならいいです。それが聞ければ充分です」

かっこいいな……

いいな、チームって。

跳ね返されたボールをノヤくんが拾って、トスを上げる菅原くんを、旭が、呼んだ。

そのボールは確かに旭に届いて、ブロックを、打ち切った。

もう、心配など要らない。
そう思った。

「大丈夫みたいね」

ノートに記録をつけていたきよが、呟く。

「うん。もう、大丈夫」

旭も、ノヤくんも、最初からずっと、烏野バレー部の大事な一員だ。