よんじゅうきゅう ページ4
啖呵を切る4人。
あの場において4人は異質。
『どうして…』
どうしてそこに行くの？
ただただ不思議だった。オールマイトが苦戦する相手。自分が痛い思いするだけ。何でだよ、どうしてそこに居るんだ。
緑谷はビクビクしてそうだ…が。
ここ数日で緑谷の人間性は嫌なほどわかる。
大きな目をウザったいほどキラキラさせてオールマイトを見ていた。きっと目の前で誰かが傷つくのは見てられないとかいうタチだろう。
「凄い…」
耳郎がポツリとつぶやく。
ハッとして耳郎を見る。
じっと彼らを見ている。八百万も同じ。
『……っ』
ピンチの時、自分の身よりも先に相手のために行動する。
"助けが必要に見えたから"…そんな理由で行動できる彼ら。
まさしくヒーローじゃんか……いや、彼らはヒーロー志望か。あんなやつがごろごろ居るのがヒーロー科だ。
『(…だとしても。)』
あぁやって叶わないだろう相手に、真正面から突っ込んでいけるのは少ないだろう。
現に僕らは、今ここで戦況を見守っているんだから。
『(…怖くないのか。殺られるかもしれないのに。)』
……
！
そこまで、僕にとっては理解不能な行動について考えてハッとする。
何だよ今の…まるで僕は"怖い"みたいじゃないか。
ヒーロー科だから、とかじゃない。
ただ、今のこの状況。目立つ彼らと視界にすら写らない僕。
…ハハ
なんだよそれ、おかしいだろ。僕に限って、そんな。
僕はゆらりと立ち上がる。
「重栖さん…？」
僕は拳をギュッと握ると2人を見る。
『僕の力は必要ないかもしれない。…でも、ここで見てるだけじゃいられないから。』
2人はここに居て、と言うと僕は走り出す。
2人の声が聞こえるけど無視をする。
ここで登場するとかカッコ悪いかな？てか僕のキャラじゃないのすけなんやけど。
僕が走って近づいてることに、彼らは気が付かない。
ちょうど轟の個性で敵は凍らされ、手が緩んだためオールマイトはその場から抜け出す。
もう1人の、細い体型の敵が何やらしゃべっているようだが聞き取れない。
手みたいなのが顔にたくさんついている気味の悪い奴だ。
そして僕は緑谷の後ろに立つ。
辿り着いた…が。ここでどう登場しよう"やっほー助けに来たぜ"とかは意味わかんないやつだし、KY空気が漂いそう。
"あれお前居たの？"は普通に恥ずい。
てかこの状況でカッコよく登場とか無理じゃね？
ここまで来といて、耳郎たちにあんなこと言ったけどさぁ…どなんしようか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2018年8月15日 16時
