<セーフ> ページ19
あたしだって、そうしたい？
そんなの、あたしは本当に思っているのだろうか。いや、そんなことはどうでもいいんだ。
このままでもいい気がしてきた。仲良くしていたらおじいちゃんはあたしにヒナが嫌いだといってくれなかったし、このままなら一緒にヒナの愚痴だっていえるかもしれないんだから。
「ああ、そろそろいかなきゃ。いってきます」
「いってらっしゃい」
もう少し話していたいけれど、遅刻には煩い担任であるのだから、行かなければ。
担任の名前は忘れたけれど、皆覚えていない。ありきたりな苗字に、ありきたりな名前。それがうちの担任なのだから。
担任は特別かっこいいとか、可愛いとかもない。しかし男なのだから可愛いはないと思う。
確か、体育を受け持っていて授業に少しでも遅れれば問題児あつかいされてしまうものだから、担任の授業はグラウンドにしっかりと並んでいる。あのメリーナや、取り巻きの女はたまに遅れるが担任は目を光らせることもなく、メリーナや女達の体調が悪かった、トイレだったなんて嘘丸見えの言い訳でも許している。
つまりは、担任は贔屓しているのだ。なんとも子供らしい担任である。
そんな担任は嫌われているが大崎を厳しく叱ったりしているのでそこはあたし的には好評価である。
セーフ、というやつだった。担任は階段をのぼるのが遅いのが幸いだった。なんとか、本当になんとか間に合った。
鞄の中身をだしもしないで、そっと席につく。あたしが席についた途端、教室がざわつくのを感じる。
大崎がまた大声で「セーフだったぜ、ふぅ・・・」なんてあたしの心の中を見透かしているかのようにいうのだった。
馬鹿にしているのはわかりきっているのであたしは聞こえないふりをする。
隣の男子が、ﾁｯと舌打ちをするのが聞こえた。
何よ。忘れ物ばっかの癖によく舌打ちなんてできたわね。
教科書、みせてあげてんのに舌打ちなんて生意気すぎないかしら。
そう口に出したい気分だった。
男子もよくからかわれているが恐らくあたしほどではないし、授業で失敗したら大袈裟に笑われる程度である。
しかし、その度に無視して、涼しい顔をしていればいいものを分かりやすくも耳を赤くしているためか大崎がわざわざ絵の具で耳たぶを塗って隣の男子までみせにきたことがあった。
その翌日に大崎は絵の具がとれなかったらしく、少し薄くなっている程度だったが真っ赤に塗るよりそっちのほうがよっぽどリアルだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 57人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
シリウス(プロフ) - http://or2.mobi/data/img/158822.png (2017年6月5日 20時) (
レス) id: 87de1793dc (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬莉璃(プロフ) - シリウスさん» 自演は、無いと。ＩＤ違いました...。 (2017年6月5日 19時) (レス) id: 705c98e51a (このIDを非表示/違反報告)
シリウス(プロフ) - パクり作者のidを検索したら、A子さんのアカウントが出てきました。自演でしょうか？ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 87de1793dc (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - こちらのほうがはるかに製作日が早いのでパクリ確定かと (2017年6月5日 19時) (レス) id: 691057392f (このIDを非表示/違反報告)
あんこ - この作品、パクられてます。内容も一文字すら変わってなく、そのまんまコピペしたような。一度見てみてはどうでしょうか？ (2017年6月5日 19時) (レス) id: 691057392f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えー子、 x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hovel/AKOwww1
作成日時：2017年1月16日 17時
