恋心は食べ物の味【ONE PIECE】【コラボ】

＊美味しいは正義なのです ページ38

これは、理解してくれないセシルさんが悪いんでしょうか？

それともうまく伝えきれていない私が悪いんでしょうか？


「大丈夫だAさん、お前の考えてることわかるけど、多分お前のせいじゃない」

「…そうでしょうか」

『えっ！？なんの話ですか参謀総長！私も混ぜて下さい！！』

「お前が混ぜるのは生地だろ！！

ボウルごと動かすな、泡立て器を使え！」


あ、叔父さんうまいです。

思わず吹き出している兵士さんたちもいます。


『えっ、これですか？変な持ち手ですね！』

「常識で考えろ！どう考えてもこっちだろ！」

『たしかに！さすがです参謀総長！！』


楽しそうに生地を掻き回すセシルさんを見て、私は頬を緩めました。

ああ…思い出しました。

これが、幸せという感情なのですね。


…そういえば部隊の部下の皆さんも、私の誕生日には、毎年手作りのケーキをくれました。

こんなふうに、笑顔で、大騒ぎしながら作ってくれていたのでしょうか？

私は…きっと、今も昔も独りではなかったのでしょう。


やはり、私は帰らなくては。

『家族』でいてくれた部下達のために。いつか…とうさまに会うために。


「…叔父さんも一緒に作りましょう？」

「はっ？」

「きっと、みんなで作った方が楽しいです」

『あっ！それ、いいですね！生地も増やして、みんなでやりましょうよ！！』


フルーツ、シロップ、チョコソース。

たくさん美味しいものを使って。

たくさん作って、みんなで食べましょう。


“美味しい”と、“笑顔”は、きっと幸せな気分を作ってくれます。

笑顔を守るのが…私の背負う正義ですから。

◇誰も見てない→←◇つくまでが任務

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